ヴァージン・ギャラクティック社は8月29日、スペースシップツーの「コールド・フロー」試験に成功したと発表した。
スペースシップツーが搭載しているハイブリッド・ロケットは、固体の燃料に、液体の酸化剤を流して燃焼させるという仕組みになっている。コールド・フロー試験とは、ロケット・モーターに酸化剤を流し、点火はしないというものだ。
「これまでの飛行試験のように、我々は次へ進む前に、データを詳細に分析します。しかし、地上から見た限りは、試験は成功したと思います」。ヴァージン・ギャラクティック社は飛行試験後、Twitterでこのように述べた。
スペースシップツーはヴァージン・ギャラクティック社が運用する予定のサブオービタル宇宙船で、スペースシャトルのように地球を回る軌道には乗らないものの、一般的に宇宙とされている高度100kmまで達することができる。宇宙空間に滞在できる時間は数分ではあるが、青い地球や黒い空を眺めることができ、また自由落下時に船内は無重量状態になる。現在いくつかの会社によってサブオービタル宇宙船の開発が行われており、その中でもスペースシップツーはもっとも実現に近い機体である。
スペースシップツーは今年1月10日にロケット・モーターを点火しての超音速飛行、そして17日に滑空飛行試験を行ったが、その後ホワイトナイトツーの主翼に亀裂が発生していることが見つかったり、またスペースシップツーもロケット・モーターが変更されるなどの出来事があり、7月29日に飛行を再開するまで、約6ヶ月に渡って飛行ができない状態が続いた。
今回の飛行で、母機のホワイトナイトツーの飛行回数は164回、そのうちスペースシップツーを積んだ状態の飛行回数は53回、そしてスペースシップツーが単独で飛行した回数は33回となった。
気になる動力飛行の再開や、宇宙空間への飛行、宇宙旅行サービスの開始時期については、まだ未定となっている。だが、8月17日に、ヴァージン社のサー・リチャード・ブランスン会長が『USAトゥデイ』紙に語ったところによれば、今後数週間のうちに、新しいロケット・モーターを使った動力飛行を行いたいとのことだ。
■Virgin Galactic’s SpaceShipTwo passes 'cold flow' test - Virgin.com
http://www.virgin.com/travel/virgin-galactics-spaceshiptwo-passes-cold-flow-test