スペースX社は8月26日夜、翌未明に予定していた、通信衛星アジアサット6を搭載したファルコン9 v1.1ロケットの打ち上げを延期すると発表した。今月22日に起きたファルコン9-R試験機の事故の影響によるもので、延期は1週間から2週間ほどになるとされ、新しい日時は発表されていない。
当初、打ち上げは米東部夏時間2014年8月27日0時50分(日本時間2014年8月27日13時50分)に行われる予定となっていた。
打ち上げ予定時刻の数時間前に出された声明によれば、打ち上げ予定のファルコン9や衛星などには問題はないものの、故障や問題が起きないか、今一度再調査をすることにしたという。
今月22日には、再使用ロケットの実験機であるファルコン9-R試験機(Falcon 9-R Test Vehicle)が、飛行試験中に問題が発生し、自爆している。同社によれば、衛星打ち上げに使われるファルコン9は冗長性が確保されており、またその信頼性の高さは外部の機関からも認められているものであり、ファルコン9-R試験機で起きたような事故は起こりえないとしている。だが、それでも念には念を入れて調査することにしたようだ。
しかし、NASASpaceflight.comなどによれば、打ち上げが延期となった実際の理由はロケットの第2段からのヘリウム漏れであるという。しかし前述のスペースX社からの発表では触れられておらず、事実であれば大きな問題になりそうだ。
このミッションで打ち上げを予定しているアジアサット6は、香港に本拠地を置くアジア・サテライト・テレコミュニケーションズ(アジアサット)社が運用する衛星で、スペース・システムズ/ロラール社によって製造された。打ち上げ時の質量は3,700kg、東経120度の静止軌道において運用され、設計寿命は15年が予定されている。またタイコム社のタイコム7としても運用される。
■Update on AsiaSat 6 Mission | SpaceX
http://www.spacex.com/news/2014/08/26/update-asiasat-6-mission