ロッキード・マーティン社は8月21日、同社が製造を手掛けていた人工衛星CLIOの打ち上げ日が、2014年9月16日に決まったと発表した。
打ち上げ場所は米フロリダ州のケープ・カナベラル空軍ステーションで、ロケットはアトラスV 401が使用される。打ち上げ時刻はまだ発表されていない。
搭載されるCLIOがどのような衛星かは、あまり明らかにされていない。運用も米国の政府機関としか発表されておらず、どのような目的の衛星かも不明だ。
ただ、衛星は同社のA2100と呼ばれる、商業用の通信衛星に良く使われる衛星バスを用いて製造されることが明らかにされており、しがたって通信衛星である可能性が高いと見られる。また静止通信衛星であるなら、打ち上げに使われるアトラスV 401の打ち上げ能力からして、衛星の打ち上げ時の質量は4,950kg以下ということになる。
また、かつて2009年9月に、やはり詳細が秘匿されたPANと呼ばれる衛星が打ち上げられている。PANもロッキード・マーティン社が開発を担当し、A2100バスが使用され、打ち上げにはアトラスV 401が使われた。したがって、CLIOはPANの同型の2号機、あるいは後継機である可能性が高い。
PANについては、ロッキード・マーティン社は「PANには既存の民生部品が多く使われている」と発表しており、高性能なカメラや特殊なセンサなどを必要としない、民生品の流用で済むような衛星、つまり通信衛星である可能性が示唆された。そして打ち上げ後には、米空軍から「PANは通信衛星である」との声明が出ている。
ちなみに名前のCLIOとは、おそらくギリシア神話に登場する女神クレイオーから取られていると思われるが、すべて大文字表記であるため、何らかの頭文字から取られた名前である可能性もあろう。PAN(パーン)もギリシア神話に出てくる神の名前であるが、公式にはPalladium At Nightの略であると説明されている。
■Launch Date For Lockheed Martin-Built CLIO Satellite Set For September 16 · Lockheed Martin
http://www.lockheedmartin.com/us/news/press-releases/2014/august/0821-ss-clio.html