ノースロップ・グラマン社は8月19日、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)のスペースプレーン実験機XS-1に提案している機体の想像図を公開した。
DARPAでは、これまでの使い捨て型ロケットに代わる、より迅速に、そして安く人工衛星打ち上げる手段の開発を目指し、スペースプレーンの研究を進めている。そのための実験機としてXS-1と名付けられた機体の開発計画を立ち上げ、米国の航空宇宙企業に提案を呼び掛けていた。そして今年7月15日、DARPAはその提案の中から、ボーイング社とブルー・オリジン社のチームと、マステン・スペース・システムズ社Xコア社のチーム、そしてノースロップ・グラマン社とヴァージン・ギャラクティック社のチームの、計3チームに対して、資金提供を行うことを発表した。
これまでにボーイング社とマステン社は想像図を公開しており、ノースロップ・グラマン社が最後となった。
ノースロップ・グラマン社のチームには、同社の子会社であるスケールド・コンポジッツ社も参加しており、スペースシップワンやスペースシップツーの開発で培われた技術が活かされるとのことだ。またノースロップ・グラマン社自身も、無人偵察機グローバル・ホークを開発した実績があり、自律飛行システムを開発する能力は折り紙付きだ。
XS-1のゴールは、マッハ10以上の極超音速飛行ができる第1段(スペースプレーン)と、そこから発射される第2段によって、3,000から5,000lbs(約1,361から2,268kg)ほどの衛星を地球周回軌道に送り込むことにある。1回の飛行あたりのコストは500万ドル(約5億円)未満で、またスペースプレーンは10日に10回の飛行が行えることが条件となっている。
DARPAでは今後、2015年の終わりまでに、この3チームの提案の中から一つを選択。その後本格的な開発を始め、2018年の打ち上げを目指すとしている。
■Photo Release -- Northrop Grumman Developing XS-1 Experimental Spaceplane Design for DARPA
http://www.northropgrumman.com/MediaResources/Pages/NewsArticle.aspx?art=http://www.globenewswire.com/newsarchive/noc/press/xml/nitf.html?d=10095324
Last Updated on 2022/11/29