シー・ローンチ社は26日、通信衛星ユーテルサット3Bを搭載したゼニート3SLロケットの打ち上げに成功した。ゼニートの打ち上げは昨年8月ぶり、またシー・ローンチ(海上打ち上げ)としてのゼニートの打ち上げは、昨年2月の打ち上げ失敗以来となる。

ユーテルサット3Bを積んだゼニート3SLは、太平洋夏時間2014年5月26日12時9分59秒(日本時間2014年5月27日6時9分59秒)、赤道直下の太平洋上に浮かべられたプラットフォーム・オデッセイから離昇した。ロケットは順調に飛行し、約1時間後に衛星を所定の軌道へ送り込んだ。今後衛星側のスラスターによって、東経3度の静止軌道に移動する予定だ。

ユーテルサット3Bは、ユーテルサット社によって運用される通信衛星で、エアバス・ディフェンス&スペース社によって製造された。東経3度の静止軌道から、ブラジル、ヨーロッパ、アフリカ、中東、中央アジアなどの地域に通信サービスを提供する。打ち上げ時の質量は5,967kgで、設計寿命は15年が予定されている。

ゼニートロケットが打ち上げられたのは、昨年の8月31日以来、約9ヶ月ぶりとなる。ただし、この打ち上げはランド・ローンチと呼ばれるもので、打ち上げ場所はカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地であった。今回のように海上から打ち上げられるシー・ローンチは昨年の2月1日の、墜落事故以来、初めてのことであった。

ロケット自体は復活を遂げたが、しかしシー・ローンチ社の次回の打ち上げは、現時点で2016年まで予定されておらず、その行く末は不透明だ。

 

■News & Events : Sea Launch Successfully Launches EUTELSAT 3B
http://www.sea-launch.com/news/11407

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