今月28日に打ち上げが予定されているGPM主衛星が13日、H-IIAロケットと結合された。種子島宇宙センターでは間近に迫った打ち上げに向け、着々と準備が進められている。

GPM主衛星は昨年11月24日、開発が行われていた米航空宇宙局(NASA)のゴダード宇宙飛行センターから日本の北九州空港に到着した。そして貨物船によって、27日に種子島宇宙センターに到着、打ち上げに向けた試験が行われていた。

その一方、打ち上げを担うH-IIAロケットは今年1月18日に、製造が行われた三菱重工の飛島工場を船で出発、21日に種子島宇宙センターに到着し、組み立てが進められていた。

今月6日にはGPM主衛星に燃料が充填され、11日には衛星フェアリング組立棟へと移された。そして13日に衛星がフェアリング内へと格納され、16日までにすべての検査が完了した。

そして衛星とフェアリングは大型ロケット組立棟(VAB)へ運ばれ、そこで待ち構えていたH-IIAロケットと結合された。

打ち上げ日時は現時点で2月28日3時7分に予定されている。打ち上げが可能な時間帯は2時間後の5時7分まで、また28日に打ち上げができなかった場合の予備日として、3月1日から3月31日までが確保されている。

GPM(全球降水観測)計画は、複数の衛星を連携させ、3時間ごとという高い頻度で世界中で降る雨を観測することを目指しており、日本と米国を中心に、欧州、インド、中国などが参加している。GPM計画の成果により、水の循環のメカニズムの解明や天気予報の精度の向上、異常気象の原因解明、水災害への対処や防止、そして河川や農業用水などの水資源の管理に役立つとされる。

GPM主衛星はこの計画の主軸となる衛星で、他の衛星が取得したデータが正確かどうかを判断する、校正役として活躍することになる。衛星の設計や開発、製造、試験はNASAゴダード宇宙飛行センターで行われ、そこに同じく同センターが開発したGPMマイクロ波放射計(GMI)、そして日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機関(NICT)が開発した二周波降水レーダー(DPR)が搭載される。

打ち上げ時の質量は3,750kgで、高度約400km、赤道となす角度が65度の太陽非同期軌道を周回。ミッション期間は約3年が予定されている。

 

■GPM主衛星をフェアリングに格納、H-IIAロケット23号機と結合: コラム | GPM-DPR スペシャルサイト
http://www.satnavi.jaxa.jp/gpmdpr_special/column/2014/post0220.html