フランスのアリアンスペース社は6日、2機の通信衛星を搭載したアリアン5 ECAロケットを打ち上げた。アリアン5の打ち上げは今年初。アリアンスペース社は今年、アリアン5を筆頭にソユーズとヴェガも合わせて合計12機のロケット打ち上げを計画しており、幸先の良いスタートを切った。

アリアン5 ECAはABS-2とアテナ・フィデュスの2機の通信衛星を載せ、現地時間2月6日18時30分(日本時間2月7日6時30分)、南米仏領ギアナにあるギアナ宇宙センターのELA-3から離昇した。雨が降る天候の中、ロケットはすぐに雲に入ってしまったものの順調に飛行し、各衛星を予定通り分離、離昇から約32分後にミッションを終えた。

ABS-2は香港に本拠地を置くアジア・ブロードキャスト・サテライト社の通信衛星で、米国のスペース・システムズ/ロラール社によって製造された。東経75度の静止軌道から、中等や北アフリカ、欧州やインド、ロシアやアジアなどの地域に、ビデオ配信や通信といったサービスを提供する。打ち上げ時の質量は6,330kgという大型の衛星で、設計寿命は15年が予定されている。

アテナ・フィデュスはイタリアのテレスパツィオ社によって運用される通信衛星で、タレス・アレニア・スペース社によって製造された。フランスとイタリアの軍や政府機関などの、機密性の高い通信に用いられる。打ち上げ時の質量は3,080kgで、設計寿命は15年が予定されている。アテナ・フィデュス(Athena Fidus)はAccess on THeatres for European Nations Allied forces - French Italian Dual Use Satelliteの略である。

 

■Arianespace - Mission Update - Ariane 5's heavy-lift mission with ABS-2 and Athena-Fidus is an Arianespace “on the numbers” launch success
http://www.arianespace.com/news-mission-update/2014/1130.asp