欧州宇宙機関(ESA)の探査機ロゼッタが、31ヶ月に及ぶ冬眠を終え、いよいよ明日、再起動する。への到着を目前に控え、目覚めの時が来た。

ロゼッタはチュリュモフ・ゲラシメンコの探査を目的とした探査機で、現在は搭載機器を温存するため、2011年6月からほとんどの電源を落とし、「冬眠」した状態で飛行を続けている。ロゼッタは1月20日19時ちょうど(日本時間)に冬眠モードから自力で目覚め、その数時間後に地球との交信を試みる予定だ。

ロゼッタは2004年3月2日に、仏領ギアナのから打ち上げられた。その約1年後の2005年3月4日に最初の地球スウィング・バイを実施、地球の万有引力を利用し軌道の方向を、そして地球の公転運動を利用して探査機のスピードを上げた。

2007年2月25日にはでのスウィング・バイを実施、同じ年の11月13日には再び地球をスウィング・バイした。2008年9月5日には、シュテインスの近くを通過し、簡単な観測を行った。続いて2009年11月13日、3回目にして最後の地球スウィング・バイを実施、さらにスピードを上げ、2010年7月10日にはルテティアの観測を行った。

そして2011年6月8日、ロゼッタはほとんどの搭載機器の電源を落とし、「冬眠」に入った。

冬眠から目覚めた後、ロゼッタは5月までかけてチュリュモフ・ゲラシメンコに近づいて行き、8月から本格的な探査が行われる。また11月には搭載している着陸機のを彗星表面に投下する予定だ。

その後もロゼッタは彗星の周りを飛び、徐々にに近づいて行く彗星の変化を捉え続ける予定だ。ミッション期間は2015年12月まで計画されている。

 

■Wake up, Rosetta! / Rosetta / Space Science / Our Activities / ESA
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