アリアンスペース社は19日、欧州宇宙機関(ESA)の天文観測衛星ガイアを搭載したソユーズST-Bロケットを打ち上げた。ガイアは「10億の星の測量士」の異名を持ち、我々の住む銀河系のうち、ごく一部分ではあるが、その正確な姿を浮かび上がらせようとしている。
ソユーズST-Bはギアナ時間12月19日6時12分(日本時間同日18時12分)、南米仏領ギアナにあるギアナ宇宙センターのソユーズ発射施設(ELS)から離昇した。ロケットは順調に飛行し、上段のフレガートMTを分離、その後フレガートMTは2回に分けた燃焼をこなし、離昇から約42分後に予定通りの軌道へガイアを送り込んだ。
ガイアは天の川銀河の中にある10億個以上の星々を観測し、それらの位置や動きを調べ、正確な立体地図を作成することを目的としている。またその過程で未発見の小惑星や太陽系外惑星、超新星が見つかることも期待されている。
衛星には2台の望遠鏡が搭載されており、これから約5年間の間、宇宙を走査する中で、10億個の星を各々平均70回撮影し、位置や明るさ、温度などを測定する。運用終了までに得られるデータは実に1ペタバイトにもなるとのことだ。
ガイアは太陽と地球を結ぶ直線上のうち、地球の外側に位置するラグランジュ2点を中心とするリサジュー軌道で運用される。つまり宇宙機は太陽と地球、そして月を常に背にできることで観測を邪魔されず、またL2点は地球と同じように太陽を1年掛けて1周するため、全天を観測するのに向いている。
製造はEADSアストリウム社が担当。打ち上げ時の質量は2,030kgである。
現在ガイアはL2点へ向けて飛行しており、合計3回の軌道修正の後、約3週間後に到着する予定となっている。
かつてESAは、ヒッパルコスと呼ばれる衛星によって同様のミッションを行ったが、ガイアはその偉業を受け継ぎつつ、質、量ともに、ヒッパルコスを遥かに上回るデータを得ることを目指している。
■Liftoff for ESA’s billion-star surveyor / Gaia / Space Science / Our Activities / ESA
http://www.esa.int/Our_Activities/Space_Science/Gaia/Liftoff_for_ESA_s_billion-star_surveyor