スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社は12月3日、SESワールド・スカイズ社の通信衛星「SES-8」を載せたファルコン9 バージョン1.1(v1.1)ロケットを、ケープカナベラル空軍基地から打ち上げた。

ファルコン9 v1.1はアメリカ東部時間12月3日17時41分(日本時間12月4日7時41分)に打ち上げられ、その約41分後に「SES-8」を所定の静止トランスファー軌道に投入し、打ち上げが成功した。ファルコン9 v1.1ロケットによる静止トランスファー軌道への打ち上げは今回が初めて。

ファルコン9 v1.1はスペースX社が開発した新型ロケットで、従来のファルコン9に比べて打ち上げ能力や信頼性が向上、また製造方法を見直すことでコストダウンも図られた。打ち上げ能力は地球低軌道に約13t、静止トランスファー軌道に約4.9tで、従来のファルコン9より1割程度向上している。

各段に使用されるロケットエンジンは、これまでのマーリン1Cから、より強力なマーリン1Dへと換装された。マーリン1Dは推力の調節(スロットリング)機能を持っており、飛行時の負荷を低減させたり、またロケットを地上に着陸させたりといった芸当が可能になる。また第1段のエンジンの配置も、これまでの縦横それぞれ3基ずつ、田の字のように並べる方式から、オクタウェブと呼ばれる、8基を円形状に並べ、その中心に9基目を配置する方式に見直された。

 

■SpaceX Successfully Completes First Mission to Geostationary Transfer Orbit
http://www.spacex.com/press/2013/12/03/spacex-successfully-completes-first-mission-geostationary-transfer-orbit