ロシア北西部にあるプレセツク宇宙基地で9日、ロケットの燃料を貯蔵するタンクの清掃中に事故が起き、作業を担当していた軍担当者の2名が死亡、また3名が怪我をし入院した。13日、ロシア各メディアが報じた。
ロシア国防省によれば、燃料タンクの清掃は定期的に行われているものであり、作業員が安全基準を破った作業を行ったため発生したとしている。
またロシア捜査委員会の軍事捜査局の発表によれば、事故は現地時間9日の11時ごろ、14P25で起きたとしている。14P25とはロコットロケットの発射施設を指す。今月22日には欧州宇宙機関(ESA)の人工衛星を搭載したロコットの打ち上げが予定されており、時期的にその準備作業において事故が発生したと考えられる。
また入院した3名の怪我の原因は有毒な窒素を吸引したためとされており、これはロコットの酸化剤として使用される四酸化二窒素のことを指していると考えられる。
この件に関して、ロシア連邦宇宙局やロコットを運用するユーロコット社、ESAなどから現時点で声明は出ていないが、インタファクス通信は「22日の打ち上げには影響はない」とする関係者の発言を報じている。
プレセツク宇宙基地で死者が出るほどの事故が起きたのは、確認されているだけでもこれが5例目となる。1973年にはコスモス3Mロケットが打ち上げ準備中に爆発し9名が死亡、1980年にはヴォストーク2Mロケットが打ち上げ準備中に爆発し50名が亡くなった。また1987年には火災事故で5名が死亡、そして2002年にはソユーズUロケットが打ち上げ直後に爆発し、1名が亡くなっている。
■В Архангельской области по факту гибели двух офицеров возбуждено уголовное дело | ГЛАВНОЕ ВОЕННОЕ СЛЕДСТВЕННОЕ УПРАВЛЕНИЕ
http://gvsu.gov.ru/?p=2904