中国航天科技集団公司は23日、気象衛星「風雲三号」を載せた長征四号丙ロケットを打ち上げた。「風雲三号」の打ち上げは今回で3機目。長征ロケットはシリーズを通して181回目の打ち上げとなった。

「風雲三号」を載せた長征四号丙は、北京時間9月23日11時7分(日本時間同日12時7分)、中華人民共和国の山西省にある太原衛星発射センターから離昇、予定通り衛星を分離し、打ち上げは成功した。

「風雲三号」は中国の気象衛星シリーズで、高度約800kmの、地球を南北に回る極軌道で運用されている。これまでに2008年と2010年に1機ずつ打ち上げられており、今回で3機目となる。また中国は、地球の赤道上にある静止軌道で「風雲二号」シリーズを運用しており、両者を組み合わせることで精密な観測が可能となっている。中国航天科技集団公司によれば、現在7機の風雲シリーズが運用されているという。

打ち上げ時の質量は約2,400kg、設計寿命は2年以上、最大で4年ほどが見込まれている。
長征四号丙は上海航天技術研究院(SAST)によって開発、製造されているロケットで、長征四号のシリーズの一つだ。

長征四号はもともと地球低軌道への衛星打ち上げ専用である長征二号を、静止トランスファーへの打ち上げにも使うため、長征二号丙の上に、四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンの組み合わせを使用する第3段を装備することで生み出された。しかし同時期に中国運載火箭技術研究院(CALT)が液体酸素/液体水素を使用する第3段を搭載する案を提示、最終的に後者が選ばれ、これが現在の長征三号である。

ただし、SAST案もCALT案の保険として研究が続けられ、その後太陽同期軌道などの極軌道への打ち上げに特化した新しい機体として開発、製造が決まり、長征四号として誕生。1988年9月6日に初飛行し、1990年9月3日に引退した。

長征四号丙はその第3段に再点火可能なYF-40Aエンジンを搭載した機体で、2006年4月26日に初飛行し、これまでに12機が打ち上げられている。

 

■风云三号卫星太原升空_中国航天科技集团公司
http://www.spacechina.com/n25/n144/n206/n214/c525831/content.html