アメリカ航空宇宙局(NASA)は3日、目下故障中の宇宙望遠鏡ケプラーの復旧に向けた準備について報告した。
ケプラーは今年5月15日にケプラーの姿勢を制御するリアクション・ホイールと呼ばれる装置が故障し、精密な姿勢制御ができなくなっていた。完全に制御不能になっていたわけではなく、スラスター(小型のロケットエンジン)を吹かして、おおまかに制御することはでき、またポイント・レスト・ステート(PRM)と呼ばれる、最低限の姿勢制御を行うモードに入れられていた。PRM中は科学観測はできないが、ケプラーの状態を知ったり、指令を送ることはできる。
運用チームはまず恒星センサー(スター・トラッカー)と呼ばれる、複数の恒星の位置から自分の姿勢を検出するセンサーを調整し、またスラスターを使った姿勢制御に対しても調整を加え、推進剤をより節約できるようにした。
そして故障したリアクション・ホイールの復旧に向けた準備として、ケプラーを製造したボール社では実機とほぼ同じ機体を使って試験が進められており、今月半ばにも、リアクション・ホイールの復旧に向けた運用が開始されるとしている。
■Kepler Mission Manager Update: Preparing for Recovery | NASA
http://www.nasa.gov/content/kepler-mission-manager-update-preparing-for-recovery/