中国は29日、開発中の大型ロケット、長征五号のブースターの燃焼試験を実施したと発表した。

発表によれば、試験は北京時間29日15時30分(日本時間同日16時30分)に始まり、約3分間に渡って燃焼したのち安全に停止、完全に成功したという。

長征五号は中国の中国運載火箭技術研究院(CALT)が開発中の大型ロケットで、大型の人工衛星を中心に、有人宇宙ステーションのモジュールや、月やその先の星に探査機や宇宙船を打ち上げられる能力を持つ。打ち上げ能力は地球低軌道に最大25t、静止トランスファー軌道には最大14tで、欧州のアリアン5やロシアのプロトン、アメリカのデルタIV、アトラスV、ファルコン9、また日本のH-IIBなどと対抗する機体となる。

長征五号の第1段には液体酸素と液体水素を使用するYF-77ロケットエンジンを2基装備し、第2段には液体酸素と液体水素を使用するYF-75Dロケットエンジンが2基装備される。なお第2段は使用されない場合もある。

第1段の周囲には、液体酸素とケロシンを使用するYF-100ロケットエンジンを持つブースターが装備される。このブースターにはK3-1とK2-1の2種類があり、K3-1はYF-100を2基、K2-1は1基持っており、そのブースターの構成を変えることで多種多様な衛星の打ち上げに対応できる。またK3-1は長征六号、長征七号の第1段に、K2-1は長征七号のブースターとしても使用される。

今回試験されたブースターは、写真などから判断するにK3-1であったと思われる。

 

■长征五号火箭助推器动力系统试车圆满成功
http://www.spacechina.com/n25/n144/n206/n214/c457622/content.html

Last Updated on 2022/11/14