中国は嫦娥五号の打ち上げを前に、月軌道から地球大気圏への再突入技術を実証するための実験機を2015年までに打ち上げる模様だ。新華社が報じた。
嫦娥五号は中国が計画している月探査機で、月の砂を採取し、地球に持ち帰る「サンプル・リターン」を行う。現在、2018年ごろの打ち上げを目指して開発が進められている。
中国はこれまで、フィルム回収式偵察衛星「返回式衛星」(FSW)や有人宇宙船「神舟」などで、地球低軌道から地球の大気圏に再突入し、安全に地上に帰還させる技術は持っているが、月や惑星軌道からの、より速い速度での再突入は経験したことがない。
この実験機は、2010年に打ち上げられた月探査機「嫦娥二号」を基にした機体に、帰還カプセルを装着した形で構成される。この帰還カプセルは嫦娥五号でも使われるものと同じものになる予定だ。実験機はまず月軌道へ送られ、そこから地球の大気圏に向けて再突入する。再突入時の速度は秒速11.2kmにもなる。
中国はこれまでに嫦娥一号と二号による月探査を成功させており、また今年の後半には、月へ軟着陸し、無人探査車(ローバー)を走らせることを目指した嫦娥三号を打ち上げる予定だ。
■Lunar mission:craft to conduct re-entry tests before 2015 - Xinhua | English.news.cn
http://news.xinhuanet.com/english/china/2013-03/14/c_132232333.htm