米アナリティクカル・グラフィックス社(AGI)の研究部門CSSIは8日、ロシアの小型衛星ブリッツと、中国の気象衛星「風雲1号C」に由来するスペース・デブリとが衝突したと発表した。
風雲1号Cは中国が1999年に打ち上げた極軌道(地球を南北に周る)気象衛星で、老朽化によって運用を終了したのち、2007年1月11日に衛星破壊実験の標的として利用された。その結果約3000個もの破片(スペース・デブリ)が軌道にばら撒かれることとなり、くわえて風雲1号Cが周回していた軌道は高度800km辺りと比較的高く、発生したデブリは今後も長期に渡って軌道に留まり続け、他の衛星を脅かし続けることになる。実際にこれまでも、いくつかの人工衛星や国際宇宙ステーション(ISS)が、このデブリとの接近や衝突を避けるために軌道変更を行ったことがある。
ブリッツ(Блиц – BLITS)は2009年9月17日に打ち上げられたロシアの小型衛星で、球形のレトロ・リフレクター(逆反射鏡)を持っている。レトロ・リフレクターは地上から発射したレーザー光を反射させる役割を持ち、その反射光を地上で捉えることで、衛星までの距離、ひいては衛星の軌道を精密に観測することができ、さらにその変化を調べることで地球の重力場がどのようになっているかを知ることもできる。
CSSIによれば、今年2月4日にロシア側からブリッツの軌道と姿勢が変化していること、またその変化が生じたのは協定世界時2013年1月22日7時57分ごろであることが報告された。それを基にCSSIが調査した結果、風雲1号Cの破壊によって生じた破片が、協定世界時2013年1月22日3時8分にブリッツに接近することが判明、また変化が生じたとされる時期に接近する物体はただこの一つだけであることから、ブリッツの軌道と姿勢の変化は風雲1号Cと衝突したために生じたと結論付けられた。
ブリッツの被害は明らかになっていないが、姿勢が乱れたことでレーザー測距は行えない状態になり、また衝突によってデブリが生じたことも確認されている。同社では衝突の原因や被害、今後の影響については、より多くの研究が必要としている。
Source
- AGI - Chinese space debris hits Russian satellite