米スペースX社はアメリカ東部標準時3月1日10時10分(日本時間3月2日0時10分)、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資を搭載したファルコン9ロケット/ドラゴン貨物船の打ち上げに成功した。その後、ドラゴンの太陽電池パドルが開かないという問題が発生するも、現在解決に向かっている。
スペースX社の創業者であり、最高経営責任者と最高技術責任者を兼任するイーロン・マスク氏がTwitterで明かしたところによれば、打ち上げ直後に4基あるスラスター・ポッドのうち3基が起動できず、そのため太陽電池パドルの展開が妨げられたとのことだ。太陽電池パドルを開くためには最低2基のスラスターが起動している必要があり、スペースX社の技術者は対応に追われた。その後3番目のスラスター・ポッドに復旧の兆しが見え、太陽電池パドルの展開にも成功した。スペースX社は不具合の原因を推進剤のバルブと特定、現在、残る2基のスラスター・ポッドに関しても復旧が試みられている。
ドラゴンには全部で4基にスラスター・ポッドがあり、そのうち2基に5つのスラスターが、残る2基に4つのスラスターがぞれぞれ配置され、つまり合計18基の、ドレイコー(Draco)と呼ばれるスラスターが装備されている。推進剤は四酸化二窒素とモノメチルヒドラジンの組み合わせを使用しており、ドラゴン補給船・宇宙船の姿勢制御や軌道変更で使用される。
スペースX社では、2基のスラスター・ポッドが動けば、ISSへの補給ミッションを継続することは可能だとしている。しかし、その場合の遅れなどの影響や、またミッション継続に関するNASA側の見解についてはまだ明らかにされていない。
■Commercial Resupply Launch
http://www.nasa.gov/mission_pages/station/structure/launch/index.html