
アメリカ企業SpaceX(スペースX)は2026年7月12日に、同社が開発中の大型ロケット「Starship(スターシップ)」による第13回飛行試験に向けて準備を進めていると発表しました。
直近の打ち上げ予定日・予定時間帯は、アメリカ中部夏時間2026年7月16日17時45分(日本時間2026年7月17日7時45分)から90分間です。
Starshipとは?
Starshipは、1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と、2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長124mの再使用型ロケットです。打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。

SpaceXによると、今回の第13回飛行試験では2026年5月に実施された前回の第12回飛行試験に続き、第3世代のStarship宇宙船およびSuper Heavyブースターと、新型エンジン「Raptor 3(ラプター3)」が使用されます。
Starship宇宙船は第3世代Starlink衛星放出テストや帰還時を模した操作を予定
2段目のStarship宇宙船は第3世代になって推進システムが全面的に再設計されており、他のStarshipとのドッキングを見据えたドッキングドローグ(ポート)や推進剤移送用の接続部なども追加されています。
SpaceXによると、前回の第12回飛行試験ではStarship宇宙船に搭載されている6基のエンジンのうち1基が、Super Heavyブースターの分離から40秒ほど後に停止してしまいました。燃焼時間を延長することで予定されていた準軌道飛行は行えたものの、第13回飛行試験に臨む機体では推進システムに改良が加えられています。
この他にも、前回は実施されなかった軌道上でのエンジン1基の再点火試験が今回も試みられます。耐熱タイルに関する改良も引き続き施されており、取り付け方法や再突入時の負荷に関する情報が収集される予定です。

また、今回の第13回飛行試験では初めて第3世代の「Starlink(スターリンク)」衛星(V3 Starlink)が20機搭載され、宇宙空間で実際に放出されます。ネットワーク容量と通信速度の大幅な拡大を目指す初期試験の一環として、放出後のV3 Starlink衛星は既存のStarlink衛星群との通信を試みます。なお、V3 Starlink衛星はStarship宇宙船と同じ準軌道を飛行するため、放出から約20分後に大気圏へ再突入して消滅する予定です。
さらに、V3 Starlink衛星20機のうち6機には、Starship宇宙船を撮影するためのカメラも搭載されます。カメラは前回の第12回飛行試験で放出された衛星シミュレーターのうち2機にも搭載されており、取得した画像は耐熱タイルの状況確認に使用されます。
Super Heavyブースターはメキシコ湾へ着水予定
1段目のSuper Heavyブースターも第3世代では大幅な改良が施されており、大気圏内での姿勢制御に用いるグリッドフィンは4枚から3枚に削減された一方で、サイズは50%大型化されました。Starship宇宙船との接続部分にあたるインターステージ(段間部)は、一体型のホットステージ機構に変更されています。
SpaceXによると、前回の第12回飛行試験ではStarship宇宙船の分離時に、Super Heavyブースターの反転方向が予定の角度に対して約90度ズレてしまいました。エンジン始動時のわずかなタイミングの違いによるものとされており、再始動シーケンスを変更することで反転方向の制御やパフォーマンスの向上が図られています。
なお、今回飛行するSuper Heavyブースターも発射台のアームによるキャッチ(空中回収)は試みられず、分離後はメキシコ湾への着水が行われます。

第3世代Starshipの初飛行となった前回は、Starship宇宙船がインド洋への軟着水に成功したものの、分離後のSuper Heavyブースターが洋上への軟着水には至らず、Starship宇宙船も上昇中にエンジンが1基停止するなど、いくつかの問題もありました。ハードウェアや運用の改良・対策が行われた第13回飛行試験でどこまで実用化に迫れるか、今回の結果にも引き続き注目が集まります。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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