株式会社ispaceは2024年9月12日、同社の月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2の月着陸船打ち上げを早ければ2024年12月にも実施すると発表しました。
ispaceは2022年12月に月着陸船の打ち上げが行われたHAKUTO-Rミッション1で日本初・民間企業初の月面軟着陸を目指したものの、ミッションの計画段階で生じた着陸地点の変更にともなうソフトウェアの問題によって推定高度に誤差が生じ、2023年4月26日に試みられた着陸は失敗に終わりました。
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今回打ち上げ時期が発表されたミッション2は、着陸目前まで進んだミッション1の成果をもとに、ランダーの設計・技術や月面輸送サービスのさらなる検証と強化を目的としています。着陸予定地点は、月の「寒さの海(Mare Frigoris)」の中央付近です。
ミッション2の月着陸船「RESILIENCE」には顧客のペイロードの他に、同社が中長期的な目標とするシスルナ(※)経済圏を構築する上で重要な資源探査の初期的な取り組みとして、ispace EUROPEが開発した小型月面探査車(マイクロローバー)「TENACIOUS」が搭載されます。TENACIOUSは月着陸船から月面へ降ろされた後にスコップを使ってレゴリス(月の土壌)を採取する予定で、レゴリスの所有権はアメリカ航空宇宙局(NASA)の月資源商取引プログラムの下でNASAに譲渡されます。
※…cislunar:地球と月の間の空間
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ispaceによると、RESILIENCEは2023年から宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで地上試験が行われており、2024年5月からはフライトモデルの各種地上試験を順調にクリアしています。ミッション2ではミッション1で得たデータをもとにソフトウェアの改良や着陸シミュレーションの範囲拡大などを通じて、ミッションの精度の向上を図っているということです。
なお、ミッション2の月着陸船に搭載されるペイロードは以下の通りです。
- 高砂熱学工業株式会社の月面用水電解装置
- 株式会社ユーグレナの自己完結型食料生産モジュール
- 台湾・国立中央大学の深宇宙放射線プローブ
- 株式会社バンダイナムコ研究所の「GOI宇宙世紀憲章プレート」
- スウェーデンのアーティスト、ミカエル・ゲンバーグ氏の「ムーンハウスプロジェクト」
- ispace EUROPEが開発した小型月面探査車「TENACIOUS」
【最終更新:2024年9月14日8時台】
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文・編集/sorae編集部