2024年8月20日から8月21日(日本時間・以下同様)にかけて、欧州宇宙機関(ESA)の木星氷衛星探査機「Juice(Jupiter Icy Moons Explorer)」が月と地球に接近してスイングバイ(※太陽を公転する惑星などの重力を利用して軌道を変更する方法)を実施しました。
2023年4月に探査機が打ち上げられたJuiceはヨーロッパ初の木星系探査ミッションで、日本語では「木星氷衛星探査計画」と呼ばれています。ミッションには宇宙航空研究開発機構(JAXA)、アメリカ航空宇宙局(NASA)、イスラエル宇宙局(ISA)も参加して観測機器を提供しています。
2031年7月に木星系へ到着するJuice探査機は、木星を周回しつつエウロパ・ガニメデ・カリストをフライバイ観測し、2034年12月以降はガニメデの周回軌道に入って観測を行う計画です。探査機は木星系へ直接向かうのではなく、地球(月を含む)と金星で合計4回のスイングバイを繰り返して徐々に軌道を変更していく予定で、今回の月-地球スイングバイはその1回目となります。
ESAによると、Juice探査機は2024年8月20日6時15分に月へ、続いて2024年8月21日6時56分に地球へ最接近し、太陽に対する速度を毎秒4.8km減速して軌道を変更しました。搭載されている10台の科学機器のうち月スイングバイでは10台、地球スイングバイでは8台が動作テストとして稼働した他に、2台のモニタリングカメラで撮影されたスイングバイ時の画像も公開されています。
Juice探査機の次のスイングバイは2025年8月に金星で行われる予定で、その後は2026年9月と2029年1月にそれぞれ地球でスイングバイを行い、探査機は木星へ向かうことになります。【最終更新:2024年8月22日10時台】
■スイングバイ時に撮影された月と地球の画像
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Source
- ESA - Juice rerouted to Venus in world’s first lunar-Earth flyby
文・編集/sorae編集部