スペースX、極軌道を飛行する有人ミッション「フラム2」の打ち上げを早ければ2024年中に実施へ
【▲ 有人宇宙飛行ミッション「Fram2」のクルー(Credit: SpaceX)】

アメリカの企業SpaceX()は2024年8月12日付で、同社の宇宙船「Crew Dragon()」を使用する飛行ミッション「Fram2(フラム2)」が早ければ2024年中に実施される予定だと発表しました。Fram2は史上初めて極地上空を飛行する低軌道の有人ミッションとなります。【最終更新:2024年8月13日12時台】

【▲ 有人宇宙飛行ミッション「Fram2」のクルー(Credit: SpaceX)】
【▲ 飛行ミッション「Fram2」のクルー(Credit: SpaceX)】

SpaceXやFram2によると、ミッションを率いるのは起業家・冒険家のChun Wangさんで、映画監督・撮影監督のJannicke Mikkelsenさん、極地冒険家・ガイドのEric Philipsさん、ロボット研究者のRabea Roggeさんが参加します。

Fram2のミッション期間は3~5日間で、Crew Dragon宇宙船は北極と南極の上空を通過する軌道傾斜角90度の極軌道に投入されます。ミッションの名称は南北両極の極地探検で活躍した探検船「Fram(フラム号)」にちなんで命名されました。過去の飛行ミッションにおける最も高い軌道傾斜角は約65度(旧ソ連のボストーク6号)とされており、Fram2は低軌道で極地の上空を飛行する初の有人ミッションとなります。

【▲ 参考画像:2021年9月の有人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」でCrew Dragon宇宙船に取り付けられたキューポラ(Credit: SpaceX)】
【▲ 参考画像:2021年9月の飛行ミッション「Inspiration4」でCrew Dragon宇宙船に取り付けられたキューポラ(Credit: SpaceX)】

Crew Dragonの先端には2021年9月に実施された民間主導の有人宇宙飛行ミッション「Inspiration4(インスピレーション4)」でも使用されたドーム状の窓「Cupola(キューポラ)」が取り付けられます。クルーは高度425km~450kmを飛行するCrew Dragonのキューポラを通して極地を観測し、に似た発光現象(※)を研究します。また、人体のX線撮影、トレーニングツール、行動保健学上の影響といった、宇宙飛行が人体に及ぼす影響をより深く理解するための研究もSpaceXの協力の下で実施されます。

※…「STEVE(Strong Thermal Emission Velocity Enhancement、スティーブ)」のような緑色の断片や藤色の帯状をした連続的な発光現象とされています。

SpaceXによると、Fram2ミッションの打ち上げは2024年末以降に実施される予定だということです。

 

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文・編集/sorae編集部