宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年3月28日10時半頃、X(旧Twitter)の小型月着陸実証機「SLIM」プロジェクト公式アカウントにて、SLIMが通信に応答したことから2回目の越夜に成功したことが確認されたと発表しました。【最終更新:2024年3月29日11時台】

【▲ 2回目の越夜成功後にSLIMの航法カメラで撮影された月面の様子(無圧縮データ)。JAXAがXのSLIM公式アカウントを通して2024年3月29日に公開(Credit: JAXA)】
【▲ 2回目の越夜成功後にSLIMの航法カメラで撮影された月面の様子(無圧縮データ)。JAXAがXのSLIM公式アカウントを通して2024年3月29日に公開(Credit: JAXA)】

SLIMは日本時間2024年1月20日0時20分頃に日本の探査機として初めて月面へ軟着陸することに成功したものの、2基搭載されているメインエンジンのうち1基で着陸直前に生じたトラブルによって接地時の水平方向の速度や姿勢が想定外となり、逆立ちして太陽電池を西に向けたような姿勢で安定。バッテリーに充電できないことからSLIMの電源は一時オフにされたものの、太陽光が西から当たって太陽電池から電力を得られるようになった2024年1月28日以降は「マルチバンド分光カメラ(MBC)」による岩の観測が行われていました。

【▲ 参考画像:小型月着陸実証機「SLIM」から放出された探査ロボット「LEV-2(SORA-Q)」のカメラで撮影された画像。大きく傾きつつ接地した状態のSLIMが右奥に写っている。画像は試験画像で、もう1機の探査ロボット「LEV-1」経由の試験電波データ転送により取得されたもの(Credit: JAXA/タカラトミー/ソニーグループ(株)/同志社大学)】
【▲ 参考画像:小型月着陸実証機「SLIM」から放出された探査ロボット「LEV-2(SORA-Q)」のカメラで撮影された画像。大きく傾きつつ接地した状態のSLIMが右奥に写っている。画像は試験画像で、もう1機の探査ロボット「LEV-1」経由の試験電波データ転送により取得されたもの(Credit: JAXA/タカラトミー/ソニーグループ(株)/同志社大学)】

着陸地点が夜を迎えることから日本時間2024年1月31日から休眠状態に入っていたSLIMは、太陽電池に再び太陽光が当たるようになった日本時間2024年2月25日にコマンドを送信したところ応答があり、通信機能を維持して1回目の越夜に成功したことを確認。日本時間2024年3月1日3時すぎに着陸地点が日没を迎えたため、SLIMは再び休眠状態に入っていました。

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JAXAによると、SLIMは日本時間2024年3月27日夜の運用で2回目の越夜に成功したことが確認され、航法カメラによる月面の撮影が実施されました(※記事冒頭に画像を掲載)。着陸地点はまだ太陽が高く、機器が高温であることから、この夜の運用は短時間で終了しています。また、温度センサーの一部や、着陸直後にシステムから切り離して使用していないバッテリーセルに不調が出始めているものの、1回目の越夜成功時に確認された主要な機能は今回も維持されているようだとしています。なお、前回越夜後の日本時間2024年2月29日夜の運用ではMBCが正常に動作しなかったとされていることから、今回もMBCによる観測は行えない可能性があります。

SLIMについては新しい情報が発表され次第お伝えします。


【2024年3月29日11時台更新】SLIMプロジェクトの公式Xアカウントから航法カメラの無圧縮データが公開されたため画像を差し替えました。


【2024年4月1日12時台追記】JAXAは2024年4月1日午前にSLIMプロジェクトの公式Xアカウントを通じて、SLIMが2024年3月30日未明に越夜後の運用を終えて再び休眠状態に入ったことを明らかにしました。2回目の越夜後運用となった今回は幾つかの機器のスイッチを入れたり負荷をかけたりするなどの状況確認が行われており、一部機器が不調のマルチバンド分光カメラ(MBC)もスイッチは入ることから慎重な状態の確認が進められているということです。なお、3回目の越夜後運用は可能であれば2024年4月下旬頃の見込みです。

 

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Source

文/sorae編集部 速報班

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