日本の民間宇宙企業QPS研究所は2024年3月12日付で、同社の小型SAR衛星「QPS-SAR7号機」、愛称「ツクヨミ-II(ツクヨミ・ツー)」の打ち上げ契約をスペースXと締結したと発表しました。QPS-SAR7号機はスペースXのライドシェアミッション「Bandwagon-1」で2024年4月以降に打ち上げられる予定です。

【▲ 小型SAR衛星「QPS-SAR7号機」、愛称「ツクヨミ-II」の想像図とミッションマーク(Credit: QPS研究所)】
【▲ 小型SAR衛星「QPS-SAR7号機」、愛称「ツクヨミ-II」の想像図とミッションマーク(Credit: QPS研究所)】

QPS研究所は合成開口レーダー(SAR)を搭載したSAR衛星による衛星コンステレーションの運用を目指している日本の民間企業です。同社によれば、全36機からなる衛星コンステレーションを構築することで、地球上の任意の地点を平均10分間隔という「ほぼリアルタイム」で観測することが可能とされています。同社はこれまでに4機のSAR衛星の軌道投入に成功しており、QPS-SAR7号機は5機目です。

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QPS-SAR7号機を打ち上げる「Bandwagon」はスペースXが新たに開始するライドシェアミッションで、同社のライドシェア販売部長を務めるJarrod McLachlan氏が2023年8月9日に米国で開催された第37回小型衛星カンファレンスの席上で発表しました。Bandwagonは軌道傾斜角45度・高度550~605kmの中傾斜軌道への小型衛星投入を目的としています。同社は2021年からライドシェアミッション「Transporter」を実施していますが、Transporterは太陽同期軌道(SSO)への小型衛星投入を目的としており、BandwagonとTransporterは衛星を投入する軌道がそれぞれ異なるミッションとなります。

QPS研究所の大西俊輔代表取締役社長CEOは「SpaceX社との協業もQPS-SAR2号機、6号機と続き、今回の7号機で3回目となり、大変心強く思っています。(中略)私たちの目指す小型SAR衛星コンステレーションは主に中傾斜軌道に入れて構築していくことを目指していますので、今回のサービス開始の初回からこの機会を逃すことなく活用できることを尽力して下さった社内外の関係者皆様に心より感謝し、今後も次々と打上げていけるようしっかりと実績を積んでいきたいと考えています」とコメントしています。

なお、QPS-SARは衛星が投入される軌道ごとに愛称がつけられています。2023年12月に打ち上げられて中傾斜軌道に投入された5号機は日本神話の月読命(つくよみのみこと)にちなんで「ツクヨミ(TSUKUYOMI)-I」という愛称で呼ばれており、同様の中傾斜軌道に投入される予定の7号機にも「ツクヨミ-II」という愛称がつけられています。ちなみに、太陽同期軌道に投入された3号機、4号機、6号機は、日本神話に登場する天照大御神(あまてらすおおみかみ)からそれぞれ「アマテル(AMATERU)-I」「アマテル-II」「アマテル-III」と名付けられています。

【▲ 小型SAR衛星「QPS-SAR7号機」のミッションマーク(Credit: QPS研究所)】
【▲ 小型SAR衛星「QPS-SAR7号機」のミッションマーク(Credit: QPS研究所)】

QPS-SAR7号機のミッションマークは、QPS研究所のカンパニーカラーであるブルーを基調にしたデザインです。中央には愛称の「ツクヨミ」にちなんだ月と、観測対象である街が描かれています。QPS研究所によると、中傾斜軌道の観測域には大都市圏が多く入るということです。また、ミッションマークに描かれている衛星の底部には衛星の通算数が入れられており、すぐにどの衛星のマークかが分かるようにデザインされています。

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ロケットラボ、QPS研究所のSAR衛星5号機「ツクヨミ-I」を打ち上げ 衛星はアンテナ展開に成功(2023年12月23日)

 

Source

  • QPS研究所 - 小型SAR衛星7号機の打上げに関して米国SpaceX(スペースエックス)社と契約を締結
  • SpaceNews - SpaceX to offer mid-inclination smallsat rideshare lanches

文/出口隼詩 編集/sorae編集部

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