欧州のアリアンスペースは現地時間10月8日、合計12機の人工衛星を搭載した「ヴェガ」ロケットの打ち上げに成功しました。

【▲ ヴェガロケットの打ち上げの様子(Credit: Arianespace)】
【▲ ヴェガロケットの打ち上げの様子(Credit: Arianespace)】

フランス領ギアナのギアナ宇宙センターから日本時間2023年10月9日10時36分に発射されたヴェガロケットは、発射から1分55秒後に1段目を分離。また打ち上げから3分39秒後に2段目の分離に成功し、続いて打ち上げから6分30秒後に3段目の分離に成功しました。その後、ロケットの4段目である「AVUM」が着火し、さらに高度を上げました。そして、打ち上げから54分22秒後、ロケットに搭載されていた人工衛星「THEOS-2」と「FORMOSAT-7R/TRITON」の分離が実施され、無事に軌道へ投入されたということです。さらに、打ち上げから1時間43分後、相乗りしていた超小型人工衛星10機の分離にも成功し、打ち上げミッションが完了しました。

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【▲ ヴェガロケットの打ち上げシーケンス。打ち上げから衛星分離まで分かりやすく書かれている(Credit: Arianespace)】
【▲ ヴェガロケットの打ち上げシーケンス。打ち上げから衛星分離まで分かりやすく書かれている(Credit: Arianespace)】

今回打ち上げられた人工衛星は、タイ地理情報・宇宙技術開発機構(GISTDA)の「THEOS-2」と台湾国家宇宙センター(TASA)の「FORMOSAT-7R/TRITON」、10機の超小型衛星(キューブサット)です。

THEOS-2は、エアバス・ディフェンス・アンド・スペースにより製作された光学地球観測衛星です。衛星の解像度は0.5mあります。2008年に打ち上げられた「THEOS-1」の後継機として観測を行います。また、THEOS-1は2023年10月下旬に打ち上げられる超小型衛星「THEOS-2A」とも連携する予定です。

【▲ タイの地球観測衛星「THEOS-2」の想像図(Credit: タイ政府)】
【▲ タイの地球観測衛星「THEOS-2」の想像図(Credit: タイ政府)】

FORMOSAT-7R/TRITONは、台湾で初めて独自開発された気象衛星です。海洋上の風を計測するために、海表面から反射されたGPSや準天頂衛星システムからの信号を捉えるGNSSリフレクトメトリを搭載しています。毎秒最大8つの反射信号を同時に処理し、毎日7万件以上のデータセットを生成できるということです。収集されたデータは台湾の中央気象署へ共有され、台風の進路予測などに利用されます。なお、衛星の名前である「トリトン」は、波や風を制御する力を持つとされる海の神ポセイドンの息子にちなんで命名されました。

【▲ 台湾の気象観測衛星「FORMOSAT-7/TRITON」(Credit: NARLabs)】
【▲ 台湾の気象観測衛星「FORMOSAT-7/TRITON」(Credit: NARLabs)】

 

Source

  • Image Credit: Arianespace, タイ政府, NARLabs
  • Arianespace – FLIGHT VV23: SUCCESS TO THE BENEFIT OF THAILAND, TAIWAN AND CUBESATS
  • Arianespace – VEGA FLIGHT VV23
  • PRD – Thailand to Launch Two THEOS-2 Satellites Later This Year
  • NARLabs – Taiwan-Made TRITON Satellite Fully Assembled, Expected to Be Ready for Use by End of 2022
  • SpaceNews – Vega launches a dozen smallsats

文/出口隼詩

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