ロシア、月探査機「ルナ25号」の月周回軌道投入に成功 着陸は8月21日の予定
【▲ ルナ25号に搭載されているカメラで2023年8月15日に撮影された機体の一部(Credit: IKI RAN)】

ロシアの宇宙機関ロスコスモス(Roscosmos)は8月16日付で、無人の月探査機「ルナ25号(Luna 25)」を月周回軌道へ投入することに成功したと発表しました。【2023年8月17日10時】

【▲ ロシアの月探査機「ルナ25号」を搭載して打ち上げられたソユーズ2.1bロケット(Credit: Roscosmos)】
【▲ ロシアの月探査機「ルナ25号」を搭載して打ち上げられたソユーズ2.1bロケット(Credit: Roscosmos)】

ルナ25号は旧ソ連時代の1976年に打ち上げられた「ルナ24号」以来となるロシアの月探査機で、日本時間2023年8月11日にボストチヌイ宇宙基地から「ソユーズ2.1b」ロケットで打ち上げられ、月へ向かう軌道に投入されました。

関連:ロシア、月探査機「ルナ25号」打ち上げ成功 月面着陸は8月21日の予定(2023年8月11日)

【▲ 打ち上げ準備中に撮影されたロシアの月探査機「ルナ25号」(Credit: Roscosmos)】
【▲ 打ち上げ準備中に撮影されたロシアの月探査機「ルナ25号」(Credit: Roscosmos)】

探査機には質量分析計やカメラなどが搭載されていて、月の土壌(レゴリス)の採取と組成の分析が行われる予定です。着陸の主目標地点は月の南極域にあるボグスラフスキー・クレーター(Boguslawsky、直径約95km)の北部とされています。8月15日と8月16日にはルナ25号に搭載されているカメラで月へ向かう途中に撮影された地球や月、機体の一部の画像が公開されています。

【▲ ルナ25号に搭載されているカメラで2023年8月13日に撮影された地球(左)と月(右)。地球から約31万km離れた位置で撮影(Credit: IKI RAN)】
【▲ ルナ25号に搭載されているカメラで2023年8月13日に撮影された地球(左)と月(右)。地球から約31万km離れた位置で撮影(Credit: IKI RAN)】
【▲ ルナ25号に搭載されているカメラで2023年8月15日に撮影された機体の一部。左上にはロボットアームのバケットが写っている(Credit: IKI RAN)】
【▲ ルナ25号に搭載されているカメラで2023年8月15日に撮影された機体の一部。左上にはロボットアームのバケットが写っている(Credit: IKI RAN)】

ロスコスモスによると、ルナ25号を月周回軌道へ投入するためのエンジン噴射は日本時間2023年8月16日17時57分に開始されました。エンジン噴射は2回行われており、軌道修正用のエンジンを243秒間、着陸用のエンジンを76秒間噴射したということです。探査機の状態は正常で、通信も安定しているとされています。ルナ25号の月面着陸は2023年8月21日の予定です。

【▲ ルナ25号の着陸目標地点を示した図。主目標地点はボグスラフスキー・クレーターの北部(緑色の点)、予備の目標地点が2か所(赤色の点と白色の点)設定されている(Credit: Roscosmos)】
【▲ ルナ25号の着陸目標地点を示した図。主目標地点はボグスラフスキー・クレーターの北部(緑色の点)で、予備の目標地点が2か所(赤色の点と白色の点)設定されている(Credit: Roscosmos)】

なお、2023年8月23日には、インドの月探査ミッション「チャンドラヤーン3号(Chandrayaan-3)」の着陸機による月面着陸も予定されています。また、2023年8月26日には日本の小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」とX線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」を搭載した「H-IIA」ロケット47号機が打ち上げられる予定です。

 

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文/sorae編集部

Last Updated on 2023/08/17