アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)は現地時間8月4日付で、中断していたNASAの惑星探査機「ボイジャー2号(Voyager 2)」との通信が回復したことを明らかにしました。ボイジャー2号は正常に動作しており、観測機器で得られた科学データや探査機自身の状態を示すデータの送信が再開され始めたということです。【2023年8月5日10時】

【▲ 深宇宙を飛行する惑星探査機ボイジャーの想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】
【▲ 深宇宙を飛行する惑星探査機ボイジャーの想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

JPLの7月28日付の発表によると、2023年7月21日にボイジャー2号へ一連のコマンドが送信された際、不注意によりボイジャー2号のアンテナが地球から2度ずれた方向に向けられた結果、NASAの深宇宙通信網(ディープスペースネットワーク、DSN)のアンテナとボイジャー2号の間で行われていた通信が送信・受信ともに中断してしまいました。

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8月1日付の情報更新ではボイジャー2号からの搬送波(情報の伝送に用いられる基本的な波のこと。キャリア波、キャリアとも)を検出したことが明らかにされたものの、信号が微弱すぎるためにデータを読み取ることはできていませんでした。ボイジャー2号はアンテナを地球に正しく向け続けるため毎年何度か姿勢をリセットするようにプログラムされており、次のリセットが実行される2023年10月15日まで通信を再開できない可能性もありました。

8月4日付の情報更新によると、ディープスペースネットワークのキャンベラ深宇宙通信施設(オーストラリア)にあるアンテナ「DSS 43(Deep Space Station 43)」からボイジャー2号に向けて、アンテナの向きを地球の方向へ戻すためのコマンドが送信されました。現在ボイジャー2号は地球から約199億km離れたところを飛行しており、通信には片道だけでも約18時間30分かかります。うまく行かない可能性もある試みでしたが、送信から約37時間後の日本時間2023年8月4日13時29分、DSS 43がボイジャー2号から送られてきたデータを受信したことで、通信の再確立が確認されました。

【▲ ボイジャー2号との通信再開を伝えるキャンベラ深宇宙通信施設のX(旧Twitter)公式アカウントによる投稿】

1977年8月に打ち上げられたボイジャー2号は、木星・土星・天王星・海王星の接近探査を行った後、同型機のボイジャー1号に続いて太陽圏を脱出して星間空間に到達し、貴重な観測データを取得し続けています。動力源として搭載されている放射性同位体熱電気転換器(Radioisotope Thermoelectric Generator:RTG、原子力電池の一種)の発電量が低下し続けているので、いつかは終了することになりますが、2023年8月で46周年を迎えるボイジャー2号のミッションはまだまだ続くことになりそうです。

 

Source

  • Image Credit: NASA/JPL-Caltech
  • NASA/JPL - NASA Mission Update: Voyager 2 Communications Pause

文/sorae編集部

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