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欧州の「ヴェガC」ロケットの2段目に使用されている「ゼフィーロ40型モータ」(※以後「Z40型モータ」)の燃焼試験(スタティック・ファイア・テスト)が2023年6月28日に実施されましたが、結果は失敗に終わりました。欧州の宇宙開発についての情報を発信しているウェブメディア『European Spaceflight』によると、2022年12月の打ち上げ失敗を受けて運用が停止されているヴェガCロケットが今年後半に飛行を再開するためには、この燃焼試験の成功が条件となっていました。

【▲ ギアナ宇宙センターに搬入される「ゼフィーロ40型モーター」(Credit: ESA-Manuel Pedoussaut)】
【▲ ギアナ宇宙センターに搬入される「ゼフィーロ40型モーター」(Credit: ESA-Manuel Pedoussaut)】

ヴェガCロケットは2022年7月に初飛行した欧州の新型ロケットです。2022年12月21日には2回目の打ち上げが実施されましたが、2段目に異常が生じたために失敗に終わり、エアバス社が開発した地球観測衛星「Pleiades Neo」の同型機2基が失われました。

関連:アリアンスペースが「ヴェガC」ロケットの打ち上げに失敗(2022年12月21日)

この事故を受けて立ち上げられた独立調査委員会による調査の結果、打ち上げ失敗の原因はZ40型モータのノズル内側に取り付けられている「スロート・インサート」という部品だったことが判明しています。同委員会はZ40型モータの製造元であるアビオ社に対して、打ち上げ再開が可能であることを証明するために、Z40型モータの燃焼試験(スタティック・ファイア・テスト)の実施を要求。冒頭でも触れた通り、燃焼試験の成功がヴェガC打ち上げ再開の条件となっていました。

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試験実施翌日の2023年6月29日に発表されたプレスリリースの中でアビオ社は、「試験開始から40秒後に別の異常が生じ、開始から97秒後に予定されていた試験終了の前にモータ全体の圧力低下が引き起こされた」と表明しています。

アビオ社は今回の燃焼試験について、新たに開発されたカーボン素材製のスロートインサートそのものは「正常な性能を示していた」と述べており、失敗は別の原因によるものだったと強調しています。

今回の燃焼試験の結果がヴェガCロケットの打ち上げ再開にどのような影響を与えるかは、現時点では明らかになっていません。アビオ社はZ40型モータを使用していない従来型の「ヴェガ」ロケットについては2023年9月にも次の打ち上げを実施する予定だと述べていますが、その一方で「ヴェガCの打ち上げ再開計画は現在評価中であり、さらなる分析と調査が必要とされている」とも述べています。

【▲ 参考画像:2022年7月に実施された「ヴェガC」初号機の打ち上げ(Credit: ESA/CNES/Arianespace/Optique Video du CSG/S Martin)】
【▲ 参考画像:2022年7月に実施された「ヴェガC」初号機の打ち上げ(Credit: ESA/CNES/Arianespace/Optique Video du CSG/S Martin)】

European Spaceflightは今回の燃焼試験失敗を受けて、打ち上げの再開は最も早く見積もっても2024年の第一四半期以降になる公算が高いと報じています。その時期までずれ込んだ場合、今後ヴェガCロケットで打ち上げが予定されているペイロードにも影響を与える可能性があります。

 

関連:アリアンスペース、新型ロケット「ヴェガC」初の打ち上げに成功(2022年7月)

Source

  • Image Credit: ESA-Manuel Pedoussaut, ESA/CNES/Arianespace/Optique Video du CSG/S Martin
  • Avio – ZEFIRO 40 FIRING TEST PRELIMINARY OUTCOME
  • European Spaceflight – Vega C Return to Flight Delayed After Z40 Test Failure

文/豊原行宏

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