こちらは打ち上げ準備が進められている欧州宇宙機関(ESA)の「Euclid(ユークリッド)宇宙望遠鏡」です。画像はスペースXの「Falcon 9(ファルコン9)」ロケット第2段に搭載するためのアダプターを取り付ける作業が行われた際に撮影されました。ユークリッド宇宙望遠鏡は米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地第40発射施設から日本時間2023年7月2日0時11分に打ち上げられる予定です。【2023年6月27日11時】

【▲ ファルコン9ロケットに搭載するためのアダプターが取り付けられた欧州宇宙機関(ESA)のEuclid(ユークリッド)宇宙望遠鏡(Credit: SpaceX)】
【▲ ファルコン9ロケットに搭載するためのアダプターが取り付けられた欧州宇宙機関(ESA)のEuclid(ユークリッド)宇宙望遠鏡(Credit: SpaceX)】

ユークリッドは暗黒エネルギー(ダークエネルギー)や暗黒物質(ダークマター)の謎に迫ることを目的に開発された宇宙望遠鏡で、波長550~900nmをカバーする「可視光観測装置(VIS)」と、波長900~2000nmをカバーする「近赤外線分光光度計(NISP)」が搭載されています。

全天の3分の1の範囲・100億光年先までに存在する数十億もの銀河の形状・位置・速度を観測し、宇宙の正確な3Dマップを作成するユークリッドのミッションを通して、暗黒エネルギーおよび暗黒物質の性質と“宇宙の大規模構造”の形成における役割、宇宙の膨張は時間の経過とともにどのように変化してきたのか、といった謎の解明に研究者は挑むことになります。

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【▲ ESAによるユークリッド宇宙望遠鏡のミッション解説動画(英語)】
(Credit: ESA)

関連:宇宙の全体像を明らかにする「ユークリッド」宇宙望遠鏡 ダークマターやダークエネルギーをどう捉えるのか?(2023年3月8日)

ファルコン9から切り離されたユークリッドは4週間かけて太陽と地球の重力や天体にかかる遠心力が均衡するラグランジュ点のひとつ「L2」(地球からの距離は約150万km)を周回するような軌道(ハロー軌道)に入り、打ち上げから3か月後に観測を開始する予定です。

 

※記事中の距離は天体から発した光が地球で観測されるまでに移動した距離を示す「光路距離」(光行距離)で表記しています。

Source

  • Image Credit: SpaceX
  • ESA – Euclid meets Falcon 9 adaptor
  • ESA – Euclid

文/sorae編集部

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