【▲ 国際宇宙ステーションを離れるロシアの宇宙船「ソユーズMS-22」(Credit: Roscosmos)】

【2023年3月29日11時02分】2023年3月28日(日本時間・以下特記なき限り同様)、ロシアの宇宙船「ソユーズMS-22 “K・E・ツィオルコフスキー”」が国際宇宙ステーション(ISS)を離れて地球に帰還しました。ソユーズMS-22は2022年12月に熱制御システムでトラブル(後述)が発生したため、通常の飛行とは異なりクルーを乗せない状態での帰還です。同船の離脱を以て、ISSでは第69次長期滞在(Expedition 69)がスタートしています。

ソユーズMS-22はロスコスモスのセルゲイ・プロコピエフ(Sergey Prokopiev)宇宙飛行士とドミトリー・ペテリン(Dmitry Petelin)宇宙飛行士、アメリカ航空宇宙局(NASA)のフランク・ルビオ(Frank Rubio)宇宙飛行士の3名を乗せて2022年9月21日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、9月22日にISSロシア区画の「ラスヴェット」モジュールとのドッキングに成功しました。

【▲ ソユーズMS-22の冷却材漏洩を調査するために「ナウカ」モジュールから伸ばされた欧州ロボットアーム。NASAのライブ配信から(Credit: NASA TV)】
【▲ ソユーズMS-22の冷却材漏洩を調査するために「ナウカ」モジュールから伸ばされた欧州ロボットアーム。NASAのライブ配信から(Credit: NASA TV)】

ISS到着から3か月ほどが経った2022年12月15日9時45分頃、ソユーズMS-22の後部にある機器/推進モジュール(エンジンや太陽電池アレイがある部分)からの冷却材漏洩が検出されました。冷却材はモジュール外装のラジエーターに微小隕石が衝突したことで生じた可能性がある直径約0.8mmの穴から漏れ出し、12月16日3時30分までにほとんどが漏出したとみられています。

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プロコピエフ飛行士ら3名はISSからの帰路にもソユーズMS-22を使用する予定でしたが、ロスコスモスとNASAは同船をクルーの帰還には使用せず、次にロシアが打ち上げる宇宙船「ソユーズMS-23」を無人の状態でISSに送り、3名の帰還に使用することを2023年1月に決定しました。ソユーズMS-23は2023年2月24日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、2月26日にISSへ到着しています。

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【▲ カザフスタン共和国に着陸したソユーズMS-22の帰還モジュール(左)(Credit: Roscosmos/Ivan Timoshenko)】
【▲ カザフスタン共和国に着陸したソユーズMS-22の帰還モジュール(左)(Credit: Roscosmos/Ivan Timoshenko)】

ISSから地上へ送られる218kgの荷物を搭載したソユーズMS-22は、2023年3月28日18時57分にISSを離脱して大気圏へ再突入し、同日20時45分にカザフスタン共和国のジェスカスガン近郊に着陸しました。ISSから無人のソユーズ宇宙船が帰還したのは、2019年8月から9月にかけてテスト目的での無人飛行が行われた「ソユーズMS-14」以来です。

なお、帰還に使用する宇宙船が変更されたことで、プロコピエフ飛行士、ペテリン飛行士、ルビオ飛行士の滞在期間は数か月間延長されています。ロスコスモスによれば、3名はISS到着から1年余りが経った2023年9月27日に地球へ帰還する予定です。ロスコスモスで有人宇宙飛行プログラム担当エグゼクティブディレクターを務めるセルゲイ・クリカレフ氏は、健康および体力トレーニングにより注意を払う必要があるものの、医師らは3名が延長されたミッションを安全に終えると予測していることに言及しています。

また、もともとソユーズMS-23に搭乗してISSに向かう予定だったロスコスモスのオレッグ・コノネンコ(Oleg Kononenko)宇宙飛行士とニコライ・チュブ(Nikolai Chub)宇宙飛行士、NASAのローラル・オハラ(Loral O'Hara)宇宙飛行士の3名は、次の宇宙船「ソユーズMS-24」に搭乗して2023年9月15日にISSへ向けて打ち上げられる予定ということです。

 

Source

  • Image Credit: Roscosmos, Ivan Timoshenko, NASA TV
  • NASA - Space Station (NASA Blogs)
  • Roscosmos (Telegram)
  • TASS - Science & Space

文/sorae編集部

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