中国、リモートセンシング衛星「遥感34号03」打ち上げ成功 長征シリーズの打ち上げは450回目
酒泉衛星発射センターから打ち上げられる長征4Cロケット(Credit: CASC)

中国は2022年11月15日、リモートセンシング衛星「遥感34号03」の打ち上げを実施しました。中国航天科技集団有限公司(CASC)によると、衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げに成功したということです。

【▲ 酒泉衛星発射センターから打ち上げられる長征4Cロケット(Credit: CASC)】
【▲ 酒泉衛星発射センターから打ち上げられる長征4Cロケット(Credit: CASC)】

衛星を搭載した「長征4C」ロケットは、中国標準時2022年11月15日9時38分、酒泉衛星発射センターから打ち上げられました。

CASCによると、遥感34号03は、上海航天技術研究院(SAST)が開発を行いました。衛星は国土調査・都市計画・道路設計・作物収穫量の推定・防災や減災などに用いられるということです。また、中国が中心となって進めている欧州と中国を結ぶ経済圏構想「一帯一路」の建設にも情報を提供するということです。

中国は、遙感シリーズの打ち上げを2006年から実施しています。衛星の名称である「遙感」は中国語で「リモートセンシング」を表しますが、一部の専門家からは事実上の偵察衛星だと考えられています。また、衛星の詳細は一般に公開されていません。

【▲ 今回の打ち上げミッションパッチ(Credit: CASC)】
【▲ 今回の打ち上げミッションパッチ(Credit: CASC)】

CASCによれば、遥感34号03は、2021年4月30日に打ち上げられた「同01」、2022年3月17日に打ち上げられた「同02」とコンステレーションを形成し、観測を実施するということです。

今回のミッションで使用された長征4CはSASTが開発した全長約45m・直径約3.35mの3段式ロケットです。長征4Cは多数の衛星の同時打ち上げを行うことができ、高度700kmの太陽同期軌道に最大3トンのペイロード(搭載物)を投入する能力を持ちます。

今回の打ち上げは長征ロケットシリーズ450回目の打ち上げとなりました。中国は近年宇宙開発に力を入れており、2022年10月には中国独自の宇宙ステーションである「中国宇宙ステーション(CSS)」を完成させました。今後は、月や火星など地球以遠の天体を目指して活動していくと考えられます。

 

Source

  • Image Credit: CASC
  • CASC - 长四丙火箭成功发射遥感三十四号03星
  • NASA Spaceflight.com - China launches two missions from Jiuquan in under 30 hours

文/sorae編集部