【▲ ケネディ宇宙センター39B射点に設置された新型ロケット「SLS」初号機。2022年11月8日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

【▲ ケネディ宇宙センター39B射点に設置された新型ロケット「SLS」初号機。2022年11月8日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)は日本時間11月9日朝、米国フロリダ州のケネディ宇宙センターで11月14日に予定されていた「アルテミス1」ミッションの打ち上げを延期し、打ち上げ予定日を2日後の11月16日に再設定したと発表しました。

延期の理由はトロピカルストーム「Nicole(ニコル)」です。アメリカの国立ハリケーンセンター(NHC)によると、ニコルは米国東部標準時11月8日19時の時点でバハマ諸島の北東にあり、西進しつつ勢力を伸ばしてハリケーンになった後、同10日にフロリダ半島の東海岸へ上陸する見込みです。

アルテミス1ミッションで飛行する新型ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」と新型有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」は、11月4日にケネディ宇宙センターのロケット組立棟(VAB)から搬出され、現在は39B射点に設置されています。NASAは今回、SLSとオリオンを組立棟には退避させずに、対策を講じた上で射点に留めておく判断を下しました。NASAによると、射点での最大のリスクは強風ですが、延期が発表された時点での予報では風の強さがSLSの設計値を上回らないと予測されています。

【▲ トロピカルストーム「ニコル」の進路予想図。米国東部標準時2022年11月8日19時時点(Credit: NOAA/NWS)】

【▲ トロピカルストーム「ニコル」の進路予想図。米国東部標準時2022年11月8日19時時点(Credit: NOAA/NWS)】

アルテミス1の打ち上げは2022年9月にもトロピカルストーム「Ian(イアン)」の接近にともない延期されていて、この時NASAはSLSとオリオンをロケット組立棟に退避させていました。カリブ海を北上したイアンはトロピカルストームからハリケーンに勢力を伸ばして9月28日にフロリダ半島へ上陸し、フロリダ州などに大きな被害をもたらしたと報じられています。

関連:NASA月探査計画「アルテミス1」ロケットを組立棟へ戻す作業開始、ハリケーン接近のおそれ

NASAが発表した最新のスケジュールによると、アルテミス1の打ち上げは米国東部標準時2022年11月16日1時4分(日本時間同日15時4分)から2時間のウィンドウ内に実施されます。SLSで打ち上げられたオリオンは12月11日に地球へ帰還する予定です。また、11月19日が予備日として確保されており、追加の打ち上げ機会についてもアメリカ宇宙軍と調整を進めるとのことです。

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アルテミス1ミッションは、NASAが開発したSLSとオリオンの無人飛行試験にあたります。SLS初号機で打ち上げられて月周辺を飛行した後のオリオンは、打ち上げから4~6週間ほど後に地球へ帰還する予定です。なお、SLS初号機には日本の「OMOTENASHI」と「EQUULEUS」など10機の小型探査機も相乗りしています。

アルテミス1ミッションに関する新たな情報は、発表があり次第お伝えしていきます。

 

Source

  • Image Credit: NASA/Joel Kowsky, NOAA/NWS
  • NASA - Artemis (NASA Blogs)

文/松村武宏

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