ispaceは、月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1の打ち上げについて、最短で2022年11月9日から15日の期間に設定したと発表しました。最終的な打ち上げ日時は、打ち上げの約10日前に決定する予定です。HAKUTO-Rミッション1は、日本の民間企業として初めて月面へランダー(着陸機)を着陸させるミッションであり、成功への期待が高まります。

【▲ ドイツの工場で組み立てが完了した「HAKUTO-R」ミッション1のランダー(Credit: ispace)】

HAKUTO-Rのランダーは、米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地からスペースX社の「ファルコン9」ロケットで打ち上げられます。打ち上げ後のランダーは、東京・日本橋にあるispaceのミッションコントロールセンター(管制室)で運用が行われ、ランダーの状態監視やコマンド(指令)・データの送受信などが実施されます。管制室とランダーの通信は、欧州宇宙機関の欧州宇宙運用センター(ESOC)が所有する世界5か所のアンテナを用いて行われます。ispaceによると、2022年9月の時点で、ランダーのフライトモデルの最終試験がドイツの施設で行われているということです。

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今回のミッション1では、7個のペイロードが月面へ輸送されます。特に注目されるのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)・株式会社タカラトミー・ソニーグループ株式会社・同志社大学の4者共同で開発された変形型月面探査ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」です。SORA-Qは、直径約8cm・質量約250gの球型で、2台のカメラを搭載しており、ランダーに通信を中継してもらうことで画像などを地球へ送信します。機体は左右へ分割する球体状の外殻を持っており、着陸後に展開し、月面移動用の車輪として使用されます。

【▲ 変形型月面ロボット「SORA-Q(LEV-2)」。左は変形前、右は変形後の様子(Credit: タカラトミー)】
【▲ 変形型月面ロボット「SORA-Q(LEV-2)」。左は変形前、右は変形後の様子(Credit: タカラトミー)】

また、UAEドバイ政府宇宙機関(MBRSC)の月面探査ローバー「Rashid」も輸送されます。Rashidが月面着陸に成功すれば、アラブ諸国として初の月面到達になります。ispaceはローバーの輸送だけでなく、地球から月への航行時に通信と電力、月面での無線通信を提供するということです。このほかにも、HAKUTO-Rのコーポレートパートナーである日本特殊陶業株式会社が開発した固体電池や、カナダのMCSS社が開発した人工知能(AI)を用いたフライトコンピューター、カナダのCanadensys社のカメラが搭載されます。

ispaceの袴田武史CEOは「いよいよミッション1の打ち上げ時期が決まり、HAKUTO-Rのパートナー企業の皆様との今までの挑戦が一つの成果になる時がきました。約200名の社員と、今までご支援いただいた方々と一緒に、打ち上げを見ることを楽しみにしています」とコメントしています。

【▲ ミッション1で搭載されるペイロード(Credit: ispace)】
【▲ ミッション1で搭載されるペイロード(Credit: ispace)】

 

Source

  • Image credit: ispace, タカラトミー
  • ispace – ispace、ミッション1の打ち上げを最短で2022年11月9日~15日に計画 グループ社員約200名と共に月を目指す
  • MBRSC – Emirates Lunar Mission

文/出口隼詩

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