【▲ ハリケーンの接近を受けてロケット組立棟にロールバックされたNASAの新型ロケット「SLS」初号機。現地時間2022年9月27日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

【▲ ハリケーンの接近を受けてロケット組立棟にロールバックされたNASAの新型ロケット「SLS」初号機。現地時間2022年9月27日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)は現地時間9月30日午後、NASAが主導する月面探査計画「アルテミス」最初のミッション「アルテミス1」に関する情報を更新しました。ハリケーン「Ian(イアン)」の接近・上陸にともなって延期されていたアルテミス1の打ち上げは、早ければ2022年11月中旬~下旬の期間内に実施される見込みです。

アルテミス1は、NASAが開発した新型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」および新型有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」の無人飛行試験にあたります。SLS初号機で打ち上げられたオリオンは月周辺を飛行した後、打ち上げから4~6週間ほど後に地球へ帰還する予定です。なお、SLS初号機には日本の「OMOTENASHI」「EQUULEUS」など10機の小型探査機も相乗りしています。

アルテミス1の打ち上げは2022年8月下旬から2回延期された後、直近では米国東部夏時間2022年9月27日(日本時間9月28日未明)に実施される予定でした。しかし、ケネディ宇宙センターがある米国フロリダ州にイアンが接近しつつあったことから、NASAは打ち上げ見送りを決定。27日午前までに、SLS初号機とオリオンを39B射点からロケット組立棟(VAB)へ退避させる作業が行われていました。

【▲ ケネディ宇宙センター39B射点を離れるNASAの新型ロケット「SLS」初号機。現地時間2022年9月27日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

【▲ ケネディ宇宙センター39B射点を離れるNASAの新型ロケット「SLS」初号機。現地時間2022年9月27日撮影(Credit: NASA/Joel Kowsky)】

打ち上げ見送りが判断された時点ではトロピカルストームだったイアンは、その後勢力を増してハリケーンになり、9月28日午後にフロリダ半島へ上陸。フロリダ州やノースカロライナ州で大きな被害が生じたことが報じられています。


関連:NASA月探査計画「アルテミス1」ロケットを組立棟へ戻す作業開始、ハリケーン接近のおそれ

NASAによると、ケネディ宇宙センターでは数か所で小規模な浸水が認められたものの、SLS初号機などアルテミス1の飛行ハードウェアに損傷はないことが9月30日までに確認されています。

その上で、ハリケーン通過後の家族や家庭の求めに従業員が応じる時間を確保し、またSLS初号機を射点へ移動させる前に必要な追加点検が行えるように、2022年11月12日~17日の打ち上げ可能期間を目指して準備を進めることが決定しました。NASAによれば、この期間内でアルテミス1の打ち上げが実施できる日は11月12日・14日~19日・22日~25日・27日の合計12日で、ミッション期間は26~28日間の予定です(27日打ち上げの場合のみ38~42日間)。

アルテミス1ミッションに関する新たな情報は、発表があり次第お伝えしていきます。

 

Source

  • Image Credit: NASA/Joel Kowsky
  • NASA - Artemis (NASA Blogs)
  • NASA - Artemis I Mission Availability

文/松村武宏

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