スカパーJSAT株式会社は、同社の通信衛星「Superbird-9」の打ち上げ調達先としてスペースX社を選定し、契約を締結したと発表しました。同社によると、Superbird-9はスペースX社が現在開発中の大型ロケット「Starship(スターシップ)」を使って、2024年に打ち上げられる予定です。スカパーJSATは、「打ち上げに向けて、引き続きSpaceXと協力してまいります」とコメントしています。
Superbird-9は、静止軌道で運用される通信衛星として、2025年度に運用が開始される予定です。スカパーJSATによると、同衛星はフルデジタル化された通信ペイロードを搭載することで、宇宙空間において自由に通信地域や伝送容量を変更できる「フレキシブル衛星」とされています。周波数帯域はKuバンドとKaバンドに対応しており、日本を含む東アジア諸国をカバーしつつ、15年以上継続して通信を行う能力があります。衛星のバス機器は、エアバスが製造します。
なお、この衛星は、スカパーJSAT社が現在東経144度で運用中の通信衛星「Superbird-C2」の後継機として、2021年3月に選定されました。エアバス社との調達契約には、衛星本体、衛星を管制するための地上システム、軌道上で実施される初期試験が含まれており、投資総額は300億円規模とのことです。
Superbird-9を打ち上げる予定のスターシップは、全長50m・直径9mの再利用可能な大型宇宙船で、軌道飛行を行う場合はブースター「Super Heavy(スーパーヘビー)」を使って打ち上げられます。スペースXによると、スターシップは旅客輸送だけでなく人工衛星や貨物などのペイロードを地球低軌道に打ち上げる能力を持ち、月や火星への飛行も可能とされています。
これまでにスターシップは5回の高高度飛行試験を行なってきました。2021年5月に実施された「SN15」の飛行試験では、打ち上げ後に無事地上へ着陸することに成功しています。
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- Image Credit: AIRBUS, SpaceX
- スカパーJSAT - 通信衛星Superbird-9 の衛星打ち上げサービス調達契約を SpaceX社と締結
- スカパーJSAT - 通信衛星 Superbird-9 の調達契約の締結について
文/出口隼詩