中国は現地時間6月5日、有人宇宙船「神舟十四号」の打ち上げに成功しました。搭乗した3名の宇宙飛行士は6か月間宇宙に滞在し、「中国宇宙ステーション」の建設作業に従事します。中国宇宙ステーションは、2022年中に完成する予定です。
神舟十四号宇宙船は、北京時間2022年6月5日10時44分、酒泉衛星発射センターから「長征2F」ロケットによって打ち上げられました。中国の宇宙開発を進める中国航天科技集団有限公司(CASC)によると、ロケットと宇宙船は無事に分離し、打ち上げに成功したということです。神舟十四号はその後、同日17時42分に中国宇宙ステーションのコアモジュール「天和」のドッキングポートへの自動ドッキングに成功しました。3名の宇宙飛行士は、すでに宇宙ステーションの中へ入り、滞在生活をはじめています。
今回搭乗した宇宙飛行士は陳冬飛行士、劉洋飛行士、蔡旭哲飛行士の3名です。コマンダー(船長)を務める陳冬飛行士は、2016年10月17日に打ち上げられた「神舟十一号」ミッションで初めて宇宙へ行きました。劉洋飛行士は、2012年6月16日に打ち上げられた「神舟九号」ミッションにおいて、中国人女性として初めて宇宙に滞在した宇宙飛行士として知られています。また、蔡旭哲飛行士は2010年に宇宙飛行士に選出され、このミッションが初飛行となります。
神舟十四号ミッションでは、中国宇宙ステーションの実験モジュール「問天」と「夢天」が天和コアモジュールにドッキングし、中国宇宙ステーションが完成する予定です。また、問天モジュールのエアロックを使用して、複数回の船外活動も実施する予定になっています。
問天モジュールは2022年7月に、夢天モジュールは2022年10月に打ち上げが予定されています。CASCによると、問天モジュールは発射場の文昌衛星発射センターに到着しており、打ち上げ準備を進めているということです。
神舟十四号のミッションでは、このほかにも補給船「天舟五号」のドッキングや2022年12月打ち上げ予定の有人宇宙船「神舟十五号」のドッキングも行われます。2022年12月には、中国宇宙ステーションに初めて有人宇宙船2機がドッキングし、6人の宇宙飛行士が軌道上で滞在する予定です。
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- Image credit: CASC, CMS
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文/出口隼詩