三菱重工業株式会社と米国のシエラ・スペース社は3月17日、米国の民間企業などが開発・保有・運用を行う商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ(Orbital Reef)」の開発に関する覚書(MOU)を締結したと発表しました。

商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の完成予想図(Credit: シエラスペース)

【▲ 商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の完成予想図(Credit: シエラスペース)】

オービタル・リーフは米国の民間宇宙企業ブルーオリジンやシエラ・スペースなどが共同で開発する商用宇宙ステーションで、2020年代後半の運用開始が予定されています。

高度約400kmの国際宇宙ステーション(ISS)よりも少し高い高度500kmで地球を周回するオービタル・リーフは、微小重力環境における研究・開発・製造や宇宙旅行といった、多様なニーズを満たす機能を持ち合わせることが計画されています。

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【▲ ISSに結合された宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機(Credit: NASA)】

宇宙航空研究開発機構(JAXA)とともに日本の基幹ロケットを開発・運用する三菱重工業はISSとの関わりも深く、これまでに日本実験棟「きぼう」の建設や宇宙ステーション補給機「こうのとり」の9回連続打ち上げ成功といった成果をあげています。

また、シエラ・スペースはISSへの物資補給を実施する商業補給サービス「CRS-2」をアメリカ航空宇宙局(NASA)と契約しており、開発中の有翼宇宙往還機「ドリームチェイサー」の打ち上げを2022年後半に予定しています。

【▲ シエラ・スペースの有翼宇宙往還機「ドリーム・チェイサー」(Credit: NASA/Sierra Space)】

三菱重工業とシエラ・スペースの両社は国際宇宙ステーション(ISS)退役後の地球低軌道活動を視野に、これまでの知見を生かした幅広い技術分野での実現性を検討するということです。

今回の締結について三菱重工業宇宙事業部長の西ケ谷知栄氏は、ISSの開発・運用に係る日本の実績が評価されたとの理解を示した上で、JAXAや他の国内企業とも連携しつつ協業を図りたいとコメント。また、シエラ・スペースのトム・バイス(Tom Vice氏)CEOは、三菱重工業の豊富な技術的知見を生かし、オービタル・リーフや次世代宇宙輸送の確立へ継続的に取り組むとコメントしています。

なお、シエラ・スペースは2022年2月26日、大分県および兼松株式会社との間でドリームチェイサーのアジア拠点として大分空港の活用を検討するパートナーシップを締結しています。発表によれば、大分県は大分空港をドリームチェイサーの着陸拠点とすることを目指しており、今後は兼松株式会社とともに安全面などの具体的な検証を実施するということです。

【▲ 商業宇宙ステーション「オービタル・リーフ」にドッキングするドリームチェイサー(Credit: Sierra Space)】

 

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  • Image Credit: Sierra Space/NASA
  • 三菱重工業株式会社 - 三菱重工、商業宇宙分野のリーディングカンパニー・米国シエラスペース社とMOUを締結 世界初の商用宇宙ステーション「オービタル・リーフ」の開発で協業
  • Sierra Space - Sierra Space Signs Memorandum of Understanding with Mitsubishi Heavy Industries

文/出口隼詩