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国際宇宙ステーション(ISS)滞在中に読書を楽しむNASAのマーク・ヴァンデハイ飛行士。2021年8月にESAのトマ・ペスケ飛行士が撮影(Credit: NASA/ESA/T. Pesquet)

【▲ 国際宇宙ステーション(ISS)滞在中に読書を楽しむNASAのマーク・ヴァンデハイ飛行士。2021年8月にESAのトマ・ペスケ飛行士が撮影(Credit: NASA/ESA/T. Pesquet)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)は現地時間3月15日、第66次長期滞在クルーの一員として国際宇宙ステーション(ISS)に滞在しているマーク・ヴァンデハイ(Mark Vande Hei)宇宙飛行士の連続滞在日数が、アメリカ人宇宙飛行士による最長記録を更新したことを発表しました。

ヴァンデハイ飛行士はロシアの宇宙飛行士2名とともに有人宇宙船「ソユーズMS-18 “ユーリ・ガガーリン”」に乗り込み、日本時間2021年4月9日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地を飛び立って同日中にISSへ到着しました。連続滞在日数は2022年3月15日の時点ですでに340日に達しています。

これまでアメリカ人宇宙飛行士による宇宙連続滞在日数は、元NASA宇宙飛行士のスコット・ケリーさんによる340日間(2015年3月27日~2016年3月1日)が最長でした。ヴァンデハイ飛行士の連続滞在は340日を超えて継続しており、ケリー元飛行士の記録を上回ったことになるわけです。

宇宙飛行士の長期滞在はそれ自身が科学ミッションと言えます。たとえばスコット・ケリーさんは双子の兄であるマーク・ケリーさんと比較することで、長期間の宇宙飛行が身体に及ぼす影響を調査する研究の対象となりました。マークさんも弟のスコットさんと同じくNASAの元宇宙飛行士で、スコットさんの長期滞在中は地上で生活していました。

【▲ ISS滞在中のスコット・ケリー飛行士(右)とアントン・シュカプレロフ飛行士(左)、2015年4月撮影。シュカプレロフ飛行士は2021年10月から再びISSに滞在し、ヴァンデハイ飛行士とも合流している(Credit: NASA)】

NASAによると、ヴァンデハイ飛行士は滞在中にISSで実施された数百の研究のうち数十に寄与しました。その中にはNASAのヒューマンリサーチプログラム(HRP)の支援を受けた6つの研究も含まれています。ヒューマンリサーチプログラムは安全かつ生産的な宇宙飛行を支える最良の技術や手法を発見することに重きを置いています。

NASAのビル・ネルソン長官は「彼の記録的なミッションと科学への貢献は、月や火星を目指す長期間のミッションに多くの人々が参加するための道を切り開いています。貢献に感謝します、マーク、おめでとう!」と言葉を寄せています。ネルソン長官は自身も元宇宙飛行士で、1986年1月の「STS-61-C」ミッションでスペースシャトル「コロンビア」にペイロードスペシャリストとして搭乗した経験があります。

NASAによればヴァンデハイ飛行士のISS滞在は2022年3月30日までで、連続滞在日数は最終的に355日間に達する見込みです。なお、3月16日時点でロシアはウクライナに対する軍事侵攻を継続しており、情勢は依然として緊迫していますが、ヴァンデハイ飛行士はソユーズMS-18で一緒に打ち上げられたロシアのピョートル・ドゥブロフ(Pyotr Dubrov)宇宙飛行士、および2021年10月にISSへ到着したアントン・シュカプレロフ(Anton Shkaplerov)宇宙飛行士とともに、予定通りソユーズ宇宙船を使って地球へ帰還する模様です。

 

関連:米ロの宇宙飛行士2名がISS滞在期間延長、NASA飛行士の連続滞在記録更新へ

Source

  • Image Credit: NASA/ESA/T. Pesquet
  • NASA - Record-Breaking NASA Astronaut Mark Vande Hei's Contributions to Human Research Studies

文/松村武宏

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