中国が7機の人工衛星打ち上げに成功、衛星網構築目指す民間企業の5G対応通信衛星6機を含む
民間宇宙企業「銀河航天」が開発した低軌道通信ブロードバンド衛星「銀河02」(Credit: 銀河航天)
【▲ 企業「銀河航天」が開発した低軌道通信ブロードバンド衛星「銀河航天02」6機(Credit: 銀河航天)】

中国航天科技集団有限公司(CASC)は現地時間3月5日、「長征2号C」ロケットの打ち上げを実施しました。ロケットには中国の民間宇宙企業「銀河航天(GalaxySpace)」の低軌道ブロードバンド通信衛星「銀河航天02(Yinhe Hantian-2)」シリーズ6機と民間宇宙企業「SpaceWish」のリモートセンシング衛星「暄铭星愿(Xuanming Xingyuan)」の合計7機が搭載され、無事に予定の軌道へ投入されたとのことです。

7機の衛星を搭載した長征2号Cロケットは、中国標準時2022年3月5日14時01分に西昌衛星発射センターから打ち上げられました。今回は長征2号Cにとって2022年初の打ち上げで、ロケットシリーズとしては410回目の打ち上げとなります。

【▲ 西昌衛星発射センターから打ち上げられた長征2号Cロケット(Credit: CASC)】

今回打ち上げられた6機の「銀河航天02」は、銀河航天が構築を計画しているの技術試験機です。同社によると重量は1機あたり約190kgで、5Gに対応。試験的に構築されるネットワークでは、30分以上連続してインターネットにアクセス可能とされています。CASCによると、6機の銀河航天02は通信サービスや軌道上ネットワーク、通信とリモートセンシング技術の統合に関する試験を実施するということです。

銀河航天は2016年に設立された中国の民間衛星事業会社で、衛星は中国東部の江蘇省で組み立てられています。同社は2年前の2020年1月に、中国初の5G通信に対応した通信衛星「銀河航天01」を打ち上げました。同社によれば銀河航天02は設計開始から約11か月で完成したとされており、通信機器のみならず写真や動画の撮影が可能なリモートセンシング機能も備えているといいます。

海外メディアのNASASpaceFlight.comによると、銀河航天は144機の衛星からなるを構築する予定とされています。近年はインターネット通信サービスを提供する会社「OneWeb( )」などの企業によって、低軌道におけるの構築が精力的に進められています。

【▲ 銀河航天の組み立て工場に並ぶ通信衛星「銀河航天02」(Credit: 銀河航天)】

 

関連:中国「長征8号」2回目の打ち上げに成功。同国最多22機の衛星を一度に搭載

Source:

  • Image Credit: CASC/銀河航天
  • CASC - 一箭“6+1” 长二丙火箭发射成功
  • CALT - 一箭多星!长二丙火箭成功发射银河航天通信卫星
  • 銀河航天 - Company to establish space-based network
  • 銀河航天 -China's leading micro-satellites developer ready to launch 6 low-orbit communication satellites in spring
  • Space News - China launches test satellites for broadband constellation
  • NASASpaceFlight.com - China launches internet constellation satellites on CZ-2C

文/sorae編集部