スペースXは現地時間2月3日、インターネット通信衛星「Starlink(スターリンク)」49機の打ち上げに成功しました。同社は1月30日以降すでに2回の打ち上げに成功しており、今回は1週間で3回目に実施された打ち上げとなります。

ケネディー宇宙センター39A発射台から打ち上げられたファルコン9ロケット(Credit: SpaceX webcast)

【▲ケネディー宇宙センター39A発射台から打ち上げられたファルコン9ロケット(Credit: SpaceX webcast)】

スターリンク衛星を搭載したスペースXの「ファルコン9」ロケットは、アメリカ東部標準時2022年2月3日13時13分に、フロリダ州のケネディー宇宙センター39A発射台から打ち上げられました。ロケットは順調に飛行を続け、打ち上げから90分後、同社は公式ツイッターにて衛星が正常に分離したことを発表しています。軌道上物体に詳しい天体物理学者のJonathan McDowell氏によると、これまでに合計2091機のスターリンク衛星が打ち上げられているということです。

今回の打ち上げに用いられたファルコン9の第1段機体は、大西洋上に待機していた無人ドローン船「A Shortfall of Gravitas」への着陸に成功しました。この機体が使用されるのは、今回が6回目。スペースXによると、今回飛行した第1段機体は過去に同社の有人宇宙船「クルードラゴン」によるアメリカ航空宇宙局(NASA)の有人宇宙ミッション「Crew-1」「Crew-2」、アメリカのラジオ放送衛星「SXM-8」、国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送ミッション「CRS-23」、そしてNASAのX線偏光観測衛星「IXPE」の打ち上げに使用されたことがあるとのことです。

また、スペースXはファルコン9の第1段機体だけでなく、フェアリング(ロケットの先端にあり、衛星を搭載し、保護する部分)の再利用も実施しています。ファルコン9のフェアリングは、ロケットが宇宙空間へ達した後に2つに分離。その後はパラシュートを開いて海上に降下し、船舶を使って回収される仕組みです。今回使用されたフェアリングの片方は、過去に5回のスターリンク衛星打ち上げに使用されました。また、もう片方は2回のスターリンク衛星打ち上げと、2020年1月に実施されたスペースXのライドシェアミッション「Transporter-1」の打ち上げに用いられています。

スペースXがスターリンク衛星の数を順調に増やすいっぽうで、スターリンクや「OneWeb(ワンウェブ)」といった衛星コンステレーションの構築にともなう「光害(ひかりがい)」の影響が懸念されています。

2022年1月には、ワルシャワ大学のPrzemek Mrózさんを筆頭とする研究グループから、衛星コンステレーションが掃天観測(空の一定の範囲を対象に行う網羅的な観測)に及ぼす光害についての研究成果が発表されました。この研究は、アメリカのパロマー天文台にあるカリフォルニア工科大学の掃天観測施設「ZTE(Zwicky Transient Facility)」において、スターリンクを対象に実施されたものです。

発表によると、スターリンクによる光害の影響を受けたZTFの画像は2019年後半には0.5パーセント未満だったのに対し、衛星数の増加に伴って2021年8月には18パーセントが影響を受けるようになったとのこと。現時点ではZTEの科学観測に重要な影響は及んでいないものの、衛星コンステレーションの計画次第では重大な影響が及ぶ可能性もあると指摘されています。

 

関連:観測への影響は?衛星コンステレーションの「光害」を評価した研究成果

Source

  • Image Credit: SpaceX webcast
  • SpaceX - Starlink Mission
  • Space News - SpaceX launches latest Starlink batch ahead of premium service plan
  • Space.com - SpaceX launches 49 Starlink satellites, lands rocket on droneship at sea

文/出口隼詩