スペースシャトル「チャレンジャー」の船内で訓練を受ける4名の宇宙飛行士たち(Credit: NASA)

【▲ スペースシャトル「チャレンジャー」の船内で訓練を受ける4名の宇宙飛行士たち(Credit: NASA)】

こちらは、アメリカ航空宇宙局(NASA)が2011年7月まで運用していた「スペースシャトル」で訓練を受ける宇宙飛行士たちの姿。写真は1985年に撮影されたもので、左からマイケル・J・スミス宇宙飛行士、エリソン・S・オニヅカ宇宙飛行士、ジュディス・A・レズニック宇宙飛行士、フランシス・R・“ディック”・スコビー宇宙飛行士の4名です。

宇宙開発の歴史に関心のある方はもうお気づきかと思いますが、4名はスペースシャトル「チャレンジャー」によるSTS-51Lミッションのクルーでした。

STS-51Lの7名の宇宙飛行士たち。上段左から:オニヅカ飛行士、マコーリフ飛行士、ジャービス飛行士、レズニック飛行士。下段左から:スミス飛行士、スコビー飛行士、マクネイア飛行士(Credit: NASA)

【▲ STS-51Lの7名の宇宙飛行士たち。上段左から:オニヅカ飛行士、マコーリフ飛行士、ジャービス飛行士、レズニック飛行士。下段左から:スミス飛行士、スコビー飛行士、マクネイア飛行士(Credit: NASA)】

アメリカ東部標準時1986年1月28日11時38分にフロリダ州のケネディ宇宙センター39B発射台から飛び立ったチャレンジャーは、片方の固体燃料ロケットブースターに生じたトラブルが原因で、離陸から73秒後に空中分解。前述の4名と、グレゴリー・B・ジャービス宇宙飛行士、ロナルド・E・マクネイア宇宙飛行士、そして高校で教員を務めていたクリスタ・マコーリフ宇宙飛行士の合計7名が命を落としました。

NASAは現地時間1月27日、2022年の「追悼の日(Day of Remembrance)」を迎えました。例年1月末頃に設けられている追悼の日は、飛行中や試験中の宇宙船で亡くなった宇宙飛行士たちをはじめ、宇宙開発に携わるなかで命を落としたすべての人々を称えるとともに、宇宙へと挑戦し続ける思いを確かめる日となっています。

アーリントン国立墓地でガス・グリソム飛行士の墓標に献花するNASAのビル・ネルソン長官(Credit: NASA/Bill Ingalls)

【▲ アーリントン国立墓地でガス・グリソム飛行士の墓標に献花するNASAのビル・ネルソン長官(Credit: NASA/Bill Ingalls)】

1月下旬から2月にかけては、NASAの歴史において悲劇的な出来事が集中した時期にあたります。今から55年前の1967年1月27日、当時最新鋭の有人宇宙船だった「アポロ1号」の地上試験中に船内で火災が発生し、ヴァージル・“ガス”・グリソム船長以下3名が亡くなる事故が発生。2003年2月1日にはスペースシャトル「コロンビア」が大気圏再突入時に分解し、7名のクルーが亡くなっています。チャレンジャーの事故も合わせると、NASAはこの時期に17名の飛行士たちを失っているのです。

宇宙飛行士が亡くなる事故はアメリカに限ったことではなく、旧ソ連でも「ソユーズ1号」「ソユーズ11号」の計4名の宇宙飛行士が帰還時に亡くなっています。また近年では2014年10月、民間企業ヴァージン・ギャラクティックの宇宙船「VSSエンタープライズ」が試験飛行中に墜落し、クルー2名が死傷する事故が起きました。

アポロ1号クルーの墓標に黙祷を捧げるNASAのビル・ネルソン長官(右)(Credit: NASA/Bill Ingalls)

【▲ アポロ1号クルーの墓標に黙祷を捧げるNASAのビル・ネルソン長官(右)(Credit: NASA/Bill Ingalls)】

NASAは現在、アポロ計画以来半世紀ぶりの有人月面探査計画「アルテミス」を推進しており、無人テスト飛行にあたる最初のミッション「アルテミス1」を2022年2月以降に実施する予定です。月周辺への有人飛行ミッション「アルテミス2」に続き、2025年以降にはアルテミス計画で初めて宇宙飛行士が月へ降り立つ「アルテミス3」ミッションを行う計画となっています。

地球低軌道に宇宙飛行士が常駐し、民間企業による宇宙旅行も始まった現代までの、そして数年後に再び始まる見込みの有人月面探査や、その先に見据えられた火星有人探査に至る道程は、多くの人々の努力と献身によって支えられています。

 

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Image Credit: NASA
Source: NASA
文/松村武宏