国際宇宙ステーション(ISS)では日本時間1月19日から20日にかけて、2022年最初の船外活動が行われました。今回の船外活動は2021年11月にISSロシア区画へ到着したノードモジュール「プリチャル(Prichal)」のISSへの統合作業の一環として、ロシアのアントン・シュカプレロフ(Anton Shkaplerov)宇宙飛行士とピョートル・ドゥブロフ(Pyotr Dubrov)宇宙飛行士によって実施されたものです。
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2022年初の船外活動は、ロシア区画の小型研究モジュール2「ポイスク(Poisk)」のハッチが開かれた日本時間1月19日21時17分に始まりました。船外に出たシュカプレロフ飛行士とドゥブロフ飛行士は多目的実験モジュール「ナウカ(Nauka)」の地球側に結合されているプリチャルに向かい、自動ドッキングシステム用のアンテナやドッキングターゲット、テレビカメラ、船外でナウカとプリチャルの間を行き来するための手すりなどの取り付けを行いました。
両飛行士による船外活動は、ハッチ開放から7時間11分後の日本時間1月20日4時28分に終了しました。ロスコスモスのライブ配信では宇宙服に取り付けられたカメラからのリアルタイム映像も用いられており、ISSの地球側に飛び出すように配置されているナウカのさらに先端に結合しているプリチャルでの作業ということもあって、他のモジュールや宇宙船に遮られない場所から見える美しい地球の姿も時折映し出されていました。
アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、今回の船外活動はシュカプレロフ飛行士にとって3回目で合計活動時間は21時間39分、ドゥブロフ飛行士にとっては4回目で合計活動時間は29時間49分となりました。2000年11月から宇宙飛行士の長期滞在が始まったISSにおける船外活動としては246回目で、すべての船外活動の合計時間は64日19時間37分に達しています。また、今後はナウカに装備されている「欧州ロボットアーム(ERA:European Robotic Arm)」や、実験装置用の小型エアロックを準備するための船外活動が2022年の春に予定されているとのことです。
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Image Credit: NASA, Roscosmos
Source: NASA / Roscosmos
文/松村武宏