アリアンスペースは日本時間2021年12月5日、測位システム「Galileo」(ガリレオ)を構成する測位衛星2機を打ち上げました。

2機の衛星は12月5日9時19分に南米・フランス領ギアナにあるギアナ宇宙センターから「ソユーズ」ロケットによって発射され、高度約2万3500kmの中軌道(※)に投入されました。今回はアリアンスペース社にとって2021年における13回目の打ち上げ成功となりました。

ギアナ宇宙センターから打ち上げられるソユーズロケット(Credit: Arianespace Twitter)

【▲ギアナ宇宙センターから打ち上げられるソユーズロケット(Credit: Arianespace Twitter)】

※中軌道:高度2,000km以下の「低軌道」と高度約36,000kmの「対地同期軌道」の間に位置する軌道のこと。中高度軌道とも

ガリレオは2016年に初期サービスが始まった欧州連合(EU)の全球測位衛星システム(GNSS)です。これまでにソユーズロケットや「アリアン5」ロケットを使って、26機の測位衛星が2011年から2018年にかけて打ち上げられています。今回新たに2機の衛星が打ち上げに成功したことで、ガリレオは28機体制となりました。なお、GNSSには有名なアメリカの「GPS」や中国の「北斗」(BeiDouなども含まれます。

測位衛星「ガリレオ」の想像図(Credit: Arianespace)

【▲測位衛星「ガリレオ」の想像図(Credit: Arianespace)】

海外メディアのSpaceflight Nowによると、ガリレオが完全体制へ移行するには30機の測位衛星が必要とされています。ガリレオに対応する電子機器やサービスはすでに登場しているものの、GPSのデータも併用されているのが現状です。30機体制になればガリレオだけで独立した運用が可能になりますし、従来のようにガリレオとGPSを併用して測位精度を向上させることもできます。

また欧州宇宙機関(ESA)によると、第2世代のガリレオ衛星も現在開発が進められています。今後打ち上げが予定されている10機の測位衛星は第1世代ですが、2024年からは第2世代の測位衛星打ち上げが始まる見通しです。

なお、アリアンスペースは日本時間2021年12月22日新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」(JWST)の打ち上げを予定しています。ウェッブ宇宙望遠鏡は「ハッブル」宇宙望遠鏡の後継機として開発され、六角形の鏡を18枚合わせた直径6.5mの主鏡を用いて赤外線の波長で天体を観測します。アリアン5ロケットによってギアナ宇宙センターから打ち上げられたウェッブ宇宙望遠鏡は、地球と太陽のラグランジュ点のひとつ「L2」(地球からの距離は約150万km)に向かい、観測を行う予定です。

 

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Image Credit: Arianespace twitter
Source: Arianespace / ESA / Spaceflight Now / NASASpaceFlight.com
文/出口隼詩