ギアナ宇宙センターで推進剤の充填作業が行われた宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」(Credit: ESA/CNES/Arianespace)

【▲ギアナ宇宙センターで推進剤の充填作業が行われた宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」(Credit: ESA/CNES/Arianespace)】

こちらはクールー(フランス領ギアナ)のギアナ宇宙センターで打ち上げ準備が進められている宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」です。画像には、打ち上げの時を待つウェッブ宇宙望遠鏡の周囲で、防護服を着用したスタッフが作業を行っている様子が捉えられています。欧州宇宙機関(ESA)は現地時間12月6日、ウェッブ宇宙望遠鏡への推進剤の充填作業が12月3日に完了したことを明らかにしました。

宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」を描いた想像図(Credit: Adriana Manrique Gutierrez, NASA Animator)

【▲宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」を描いた想像図(Credit: Adriana Manrique Gutierrez, NASA Animator)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)・欧州宇宙機関(ESA)・カナダ宇宙庁(CSA)の新型宇宙望遠鏡であるジェイムズ・ウェッブは、六角形の鏡を18枚組み合わせた直径6.5mの主鏡を持ち、赤外線の波長で天体を観測する宇宙望遠鏡です。

欧州の「アリアン5」ロケットを使って打ち上げられたウェッブ宇宙望遠鏡は、1か月ほどかけて地球と太陽のラグランジュ点のひとつ「L2」(地球からの距離は約150万km)まで移動し、打ち上げからおよそ6か月後に観測を開始する予定です。

化学防護服を着用したギアナ宇宙センターのスタッフ(Credit: ESA/CNES/Arianespace)

【▲化学防護服を着用したギアナ宇宙センターのスタッフ(Credit: ESA/CNES/Arianespace)】

L2へ向かう間の軌道修正や到着後の姿勢制御・軌道維持には、ウェッブ宇宙望遠鏡に搭載されているスラスターが使われます。ESAによると、ウェッブ宇宙望遠鏡にはスラスターの推進剤として159リットルのヒドラジン(燃料)と79.5リットルの四酸化二窒素(酸化剤)が10日間かけて充填されました。

人工衛星や探査機などの推進剤として用いられているヒドラジンと四酸化二窒素はどちらも毒性が強い物質であるため、充填作業は専門のスタッフが化学防護服を着用した上で行われています。

アリアン5ロケットのフェアリングに描かれたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のロゴ(Credit: ESA/CNES/Arianespace)

【▲アリアン5ロケットのフェアリングに描かれたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のロゴ(Credit: ESA/CNES/Arianespace)】

推進剤の充填が完了したことで、打ち上げの準備作業はいよいよウェッブ宇宙望遠鏡とアリアン5ロケットの結合へと進みます。フェアリング(人工衛星や探査機などを保護するロケット先端の部品)に格納されたウェッブ宇宙望遠鏡は、打ち上げ中にフェアリングが分離されるまで姿を現すことはありません。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ日時は、日本時間2021年12月22日21時20分の予定です。

▲ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げから主鏡の展開完了までを再現した動画▲
(Credit: ESA/ATG medialab)

 

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Image Credit: ESA/CNES/Arianespace
Source: ESA
文/松村武宏