三菱重工業、H-IIAロケット45号機を12月21日深夜に打ち上げ予定 インマルサット社の通信衛星搭載
H-IIAロケット45号機で打ち上げられるインマルサット社の第6世代通信衛星「Inmarsat-6」シリーズ初号機衛星(Credit: Inmarsat)

衛星通信サービスの英国インマルサット社は、同社の第6世代通信衛星「Inmarsat-6」シリーズ初号機衛星三菱重工業のH-IIAロケット45号機で打ち上げると発表しました。

打ち上げは日本時間12月21日(火)23時33分52秒から翌日1時33分26秒の間に、鹿児島県にある種子島宇宙センター大型ロケット発射場で行われる予定です。なお打ち上げ日時は当日の天候や機体状況により変更になる可能性があります。

H-IIAロケット45号機で打ち上げられるインマルサット社の第6世代通信衛星「Inmarsat-6」シリーズ初号機衛星(Credit: Inmarsat)
【▲H-IIAロケット45号機で打ち上げられるインマルサット社の第6世代通信衛星「Inmarsat-6」シリーズ初号機衛星(Credit: Inmarsat)】

今回打ち上げられるインマルサット社の通信衛星Inmarsat-6は、Lバンド通信とKaバンド通信を同時に行う世界初の通信衛星シリーズです。これにより世界中の衛星通信サービスの利便性を向上させると同時に、インマルサット社が独自に構築をするネットワーク通信網構想「ORCHESTRA(オーケストラ)」実現に向けて、大きな役割を果たします。さらにインマルサット社のCEOであるうラジーヴ・スリ氏によれば、これまで打ち上げられた同社の衛星の中でも「最も大型化かつ先進的な商用通信衛星」だということです。オーケストラ構想実現に向けては、「既存の静止軌道衛星、低地球軌道衛星および地上5Gを一つの調和したソリューションとして提供する世界初のネットワーク構想である当社の『ORCHESTRA』構想を実現するための静止衛星」として、重要な働きをすると述べています。

打ち上げに使用されるH-IIAロケット45号機は、H2A204/4Sタイプを使用します。このタイプは直径4mのコア機体、その周囲に配置される4本の固体ロケットブースター(SRB-A)、直径4mの衛星フェアリングで構成されています。ロケットは現在三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所飛島工場で最終点検を実施中です。三菱重工宇宙事業部長の西ケ谷知栄氏は、「移動体通信業界のリーディングカンパニーであるインマルサット社に、当社の打上げ輸送サービスを選定いただいたことを改めて誇りに思います。」とコメントしています。

 

Image Credit: インマルサット社
Source: 三菱重工業
文/出口隼詩