ANAホールディングスと民間宇宙企業ヴァージン・オービットは、10月20日に、日本国内で航空機を利用した人工衛星打ち上げ事業の展開に向けた基本合意書を提携しました。

両企業は2019年6月6日に、提携を結んでいます。今回結ばれた基本合意書ではそのパートナーシップをさらに強化し、打ち上げ実現に向けた具体的な協議を行うということです。

ボーイング747-400から発射されるヴァージン・オービット社の小型ロケット(Credit: Virgin Orbit/Greg Robinson)

【▲ ボーイング747-400から発射されるヴァージン・オービット社の小型ロケット(Credit: Virgin Orbit/Greg Robinson)】

ヴァージン・オービットは、母機として改修したボーイング747-400型機を使用し、空中高度10kmで小型ロケットの切り離しを行い、空中発射する方法を行なっています。ロケットの空中発射は、天候による発射の調整が少なく、柔軟な打ち上げに対応できます。また垂直方式で打ち上げるロケットに比べて搭載燃料が少なくなることから、経済的な負担が少なくなるなどのメリットがあります。同社は日本でもこの発射方法を採用し、ロケットの打ち上げを行う計画です。母機の離発着は同社がパートナーシップを結んでいる大分空港を「宇宙港」として活用することが検討されています。2022年度以降の10年間で20回の打ち上げを目指すと発表しています。

今回、ヴァージン・オービットと締結したANAホールディングスは、事業で必要な国内における許許可の取得やロケットの衛星搭載スペースの販売、地上支援機材の準備などの役割を担います。加えて衛星搭載スペースの販売は、国内独占販売権を取得し、全日空商事株式会社と協業する予定です。これらにより、事業の実現や宇宙ビジネスのさらなる拡大、ひいては日本の宇宙産業の拡大に貢献することを目指します。

ヴァージン・オービットは2021年1月17日に、空中発射ロケット「ランチャーワン」の飛行試験に成功しています。アメリカの大学やNASAのキューブサット10機などを搭載し、衛星の分離に成功したということです。

 

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Image Credit: Virgin Orbit/Greg Robinson
Source: ANAホールディングス
文/出口隼詩

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