民間宇宙企業ロケット・ラボは日本時間7月29日15:00頃、アメリカ宇宙軍の試験開発衛星を搭載した「エレクトロン」ロケットを打ち上げました。発射は、同社がニュージーランド・マヒア半島に持つ打ち上げ施設から実施されました。打ち上げから52分後に衛星を分離し、ミッションは成功しました。同社がロケットを打ち上げるのは、今年4回目となり、またエレクトロンロケットは通算21回目の発射です。
搭載されたのは「Monolith」と呼ばれている試験開発衛星です。アメリカ宇宙軍のSpace Test Programのための衛星で、「展開可能なセンサーの使用を実証」します。また、「センサーの重量は宇宙機の重量の多くを占めており、宇宙機の動的特性を変更することで姿勢制御を維持する」機能を持っているということです。この実証によって得られたデータを分析することにより今後気象衛星などで使用されるセンサーを開発する際に、より小さな衛星バスを製造することができるようになります。また、これにより衛星開発におけるコストの削減などを目指すと同社は発表しています。
ロケット・ラボ社は5月15日にエレクトロン20号機を打ち上げました。しかし、2段エンジンが燃焼開始後に停止し、軌道に到達せず打ち上げは失敗しました。それから約2〜3ヶ月で、打ち上げの成功に至りました。
なお同社は打ち上げごとに、ユニークなミッション名をつけています。今回のミッション名は「It's A Little Chile Up Here」(ここにあるのは小さな唐辛子です)と名づけられました。唐辛子は、米国宇宙軍のSpace Test Program(STP)が置かれているアメリカ・ニューメキシコ州の名産品です。ミッションパッチにも青唐辛子が描かれています。
Image Credit: Rocket Lab Broadcast/Rocket Lab Twitter
Source: Rocket Lab/Space News
文/出口隼詩
Last Updated on 2021/08/09