地表に設置されたワイヤレスカメラを使って撮影された火星探査車「祝融」のセルフィー。右側には着陸機も写っている(Credit: CNSA)

【▲ 地表に設置されたワイヤレスカメラを使って撮影された火星探査車「祝融」のセルフィー。右側には着陸機も写っている(Credit: CNSA)】

中国国家航天局(CNSA)は6月11日、火星探査機「天問1号」の火星探査車「祝融(しゅくゆう)」から新たに送られてきた画像を公開しました。

冒頭に掲載した画像には、火星の地表すれすれの視点から撮影された祝融と着陸機が写っています。探査活動中の祝融を再現した想像図のようにも見えるこちらの画像、撮影には祝融に搭載されていたワイヤレスカメラが使われたようです。

CNSAによると、カメラは着陸機から南に約10m離れた地点で祝融の車体下部から分離され、分離後に後退した祝融と着陸機を撮影。画像データは一旦祝融に送信された後に、軌道上の天問1号を介して地球に届けられています。

祝融の着陸地点周辺のパノラマ画像。着陸機から降りる前に撮影された複数の画像をもとに作成(Credit: CNSA)

【▲ 祝融の着陸地点周辺のパノラマ画像。着陸機から降りる前に撮影された複数の画像をもとに作成(Credit: CNSA)】

次は祝融が撮影した画像をもとに作成されたパノラマ画像です。2021年5月15日に着陸した祝融は搭載されていた着陸機から5月22日に地表へ降りていますが、この画像は着陸機から降りる前に撮影された複数の画像をつなぎ合わせることで作成されています。

画像は中央が北の方角に合わせられていて、祝融が着陸機から降りるために展開されたスロープは東を向いていることがわかります。着陸地点の周囲には比較的平坦な地形が広がっていて、CNSAによると岩石のサイズや数も予想と一致するといい、着陸地点の自律的な選択や障害物を確認するためのホバリングが効果的だったとしています。

今回はこの他にも着陸機とその周辺を撮影した画像や、地表の様子を捉えた画像が公開されています。周辺の地表には輪郭がなめらかで明るい色合いをしたさまざまな大きさの石が散らばっていて、地面に半ば埋もれていることが地表の画像から見て取れるとCNSAは述べています。

祝融が撮影したユートピア平原の地表の様子(Credit: CNSA)

【▲ 祝融が撮影したユートピア平原の地表の様子(Credit: CNSA)】

天問1号は周回機、着陸機、探査車(祝融)から構成される探査機です。2020年7月23日に打ち上げられた天問1号は、2021年2月10日に火星の周回軌道へと入りました。祝融を載せた着陸機は前述のように5月15日にユートピア平原へ着陸し、5月22日には祝融が着陸機から火星の地表へと降りることに成功しています。

祝融は高さ1.85m重量250kgで、6つのホイールと4枚の太陽電池パネルを装備。ナビゲーション用の2台のカメラをはじめ、マルチスペクトルカメラ気象センサー地中レーダー磁力計レーザーを用いた表面組成の検出器といった観測装置が搭載されています。

CNSAによると、6月11日の時点で祝融の活動期間は28ソル(1ソル=火星の1太陽日、約24時間40分)に達しました。祝融の探査活動は少なくとも90ソル(地球では約3か月間)、天問1号のミッションは火星での1年(地球では約687日)が予定されています。

祝融が撮影した天問1号の着陸機。画像右側の地表には祝融のホイールによって刻まれた走行痕も写っている(Credit: CNSA)

【▲ 祝融が撮影した天問1号の着陸機。画像右側の地表には祝融のホイールによって刻まれた走行痕も写っている(Credit: CNSA)】

 

関連:中国とアメリカの火星探査機が軌道上から探査車「祝融」の着陸地点を撮影

Image Credit: CNSA
Source: CNSA / Xinhua
文/松村武宏

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