NASAの金星探査機マゼランとパイオニア・ヴィーナス・オービターのデータを合成して作成された金星の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech)

【▲ NASAの金星探査機マゼランとパイオニア・ヴィーナス・オービターのデータを合成して作成された金星の画像(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

NASAは6月3日、比較的低予算で、迅速に優れた結果を出すことを目的としたディスカバリー計画に新たに金星探査に関する2つのミッションを採用したと発表しました。

採用されたミッションは「DAVINCI+」「VERITAS」の2つです。NASAはそれぞれのミッションにそれぞれ約5億ドルを支出します。 いずれのミッションも2028年から2030年までの間におこなわれることになっています。

NASAでは、この2つのミッションによって”かつては地球のように温暖で海も存在した可能性があり、生命も存在できる環境であったかもしれない金星”が、なぜ、地球とは異なって、現在の地獄のような環境になってしまったのか、理解することを目指すとしています。

「DAVINCI+」と「VERITAS」のイメージ ※YouTubeより(Credit: NASA YouTube)

DAVINCI+ってどんなミッション?

DAVINCI+ミッションでは金星の大気がいかに形成され、進化してきたのか、かって金星に海は存在したのかなどを理解するために金星の大気の組成を測定します。このミッションには、球形の降下探査機(a descent sphere)を金星の大気に突入させ、希ガスやその他の元素を正確に測定することで、なぜ金星は暴走する温室(a runaway hothouse)なのか理解するミッションが含まれています。

また、このミッションでは、テッセラと呼ばれる金星にみられる独特の地形の初めての高解像度の画像が撮影される予定です。テッセラは、地球における大陸にあたるものである可能性があり、金星にプレートテクニクスが存在する可能性を示唆するものと考えられてます。

VERITASってどんなミッション?

VERITASミッションでは、金星の表面をマッピングして、金星の地質学的な歴史を明らかにし、なぜ金星が地球と異なった進化をしたのか理解します。具体的には、探査機が金星を周回しながら、合成開口レーダーを使って、金星のほぼ全体の3D地図をつくります。これによってまだ金星にプレートテクニクスや火山活動が存在するかどうか確認します。

また、VERITASでは、金星の表面からの赤外線の放射をマッピングすることで、岩石の種類をマッピングします。これによって活火山が水蒸気を大気に噴き出しているかどうか確定します。

NASAでは、金星をよりよく理解することは、地球や系外惑星をよりよく理解することにつながると考えています。ミッションが実行される日がとても楽しみです!

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA
文/飯銅重幸

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