宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、株式会社タカラトミーとソニーグループ株式会社、同志社大学との共同開発で「変形型月面ロボット」を製作し、月面でデータ取得を行うと発表しました。この探査計画は、JAXAとトヨタ株式会社が進める「有人与圧ローバー」の開発に必要なデータを取得するために行われます。変形型月面ロボットは2022年にispace株式会社の月面着陸ミッションで輸送される計画です。このロボットのように月面着陸後、走行用の形状に変化することで、月着陸船搭載時の容積を小さくすることが可能になります。

JAXAなどが開発を進め、2022年頃に月面着陸する予定の「変形型月面ロボット」(Credit: JAXA/タカラトミー/ソニー/同志社大学)

【▲ JAXAなどが開発を進め、2022年頃に月面着陸する予定の「変形型月面ロボット」(Credit: JAXA/タカラトミー/ソニー/同志社大学)】

JAXAによるとローバーは変形前の直径が約80mm、重量が約250gということです。そして、着陸後、変形して月面を走行。取得したデータは、ispaceの月着陸船(ランダー)を通じて、地上へ送られます。またこれらのデータは有人与圧ローバーの自動運転技術や走行技術の検討に生かされます

JAXAは「宇宙探査イノベーションハブ」という研究事業を展開しています。この研究事業は、様々な異分野の人材・知識を集めて、これまでにない新しい体制で宇宙探査に関わる研究を行うというものです。主に「広域未踏峰探査技術」「自動・自律型探査技術」「地産・地消型探査技術」の3つの分野で研究開発を行っています。さらに多くの企業や大学からの研究提案募集(RFP)を行っており、変形型月面ロボットの開発もこの枠組みのもとで行われました。

ロボットの技術は、タカラトミーと同志社大学が持つ筐体(機器類を収める箱)の小型化技術、ソニーが持つ制御技術、JAXAが持つ宇宙環境下の開発技術を生かした自走型ロボットになっているということです。JAXAの理事で有人宇宙技術部門長の佐々木宏氏は「宇宙探査イノベーションハブの成果である変形型月面ロボットや民間企業の月着陸ミッションを活用して、貴重な月面でのデータを取得し、有人与圧ローバの検討を着実に進めていきたいと考えております。」とコメントしています。

またこの発表に関してタカラトミーは公式ツイッターで「タカラトミーのおもちゃ開発技術がJAXAの研究に採用されました。」とツイートしています。

 

 

Image Credit: JAXA/タカラトミー/ソニー/同志社大学
Source: JAXA/宇宙探査イノベーションハブ
文/出口隼詩

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