JAXAと鹿島建設株式会社は5月18日、建設機械について、遠隔操作と自動運転を上手く組み合わせることで、無人でも精度の高い施工が可能であることを確認したと発表しました。

月や火星などにおける有人拠点の建設は、無人で、おこなわれることが想定されており、JAXAでは、この成果を将来の月面有人拠点の建設などにつなげていきたいとしています。

【▲ JAXAの相模原キャンパスと鹿島建設が施工するJAXAの種子島宇宙センターの現場を公衆電話回線を使って繋ぎおこなわれた実験の模様(Credit: JAXA&KAJIMA)】

■月面基地はどのようにして建設するの?

月面有人拠点の建設は次のような工程でおこなわれます。まず、月面有人拠点の建設予定地を整地し、次に、モジュールの設置予定場所を掘削し、モジュールを設置。最後に、隕石や放射線から居住者を保護するために、モジュールの周りを土で覆って覆土し、完成です。

しかし、これらの工程を有人でおこなうのは非常に困難です。そのため、これらの工程は無人でおこなわれなければなりません。

そこで、必要となるのが、遠隔操作と自動運転を上手く組み合わせた遠隔施工システムです。

今回、JAXAは遠隔操作技術、鹿島建設は「A4CSEL®」(クワッドアクセル)の開発で培った建設機械の自動運転を中核とした自動施工技術を持ち寄って、実験に挑みました。

なお、鹿島建設の「A4CSEL®」はすでに数々のダム建設で活躍しています。

■遠隔操作と自動運転を上手に組み合わせて精度の高い遠隔施工システムを実現!

【▲ 今回の実験は約1000kmの距離を公衆電話回線で繋ぎおこなわれた(Credit: JAXA&KAJIMA)】

実験は、JAXAの相模原キャンパスと鹿島建設が施工するJAXAの種子島宇宙センターの現場との約1000kmの距離公衆電話回線を使って繋ぎおこなわれました。

なぜ、公衆電話回線かというと、月などと通信する場合には、通信に時間がかかりますが、このような通信時間の遅延を再現するためです。

実験では、まず、遠隔操作で、月面を想定して障害物が配置されたエリアを通って、建設機械を現場に投入しました。そして、その後、自動運転に切り替え、整地作業の一部(転圧作業)をおこないました。

その結果、通信時間の遅延にも関わらず、遠隔操作で建設機械を現場に投入し、自動でスムーズに、地形の変化に応じて作業したり、複数の建設機械を安全に協働させることなどに成功しました。

JAXAでは、将来的な無人での月面有人拠点の建設などに向けた成果が得られたとしています。

 

Image Credit: JAXA&KAJIMA
Source: JAXA
文/飯銅重幸

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